第361話 洋風食堂『CLOVER♣』 その8
「はい! 大変お待たせしました♪」
「特製ハンバーグセットです!♪」
日向さんは笑顔で言いながら、伊藤さん姉妹の座席へ配膳を始める。
桃香ちゃんはスマートフォンを眺めるのを止めて、今度はハンバーグを和やかな表情で眺め始める。
「~~~♪」
器用にハンバーグを見ながら、桃香ちゃんはスマートフォンをワンピースのポケットに仕舞っている。
特製ハンバーグセットは、トマトソースベースのハンバーグで有るが、何とエビフライが一本付いている!!
ハンバーグの大きさは標準サイズより、少し大きい感じもする。
ハンバーグに、エビフライが付くから“特製”に成るのだろうか?
後は、かにクリームコロッケセットと同じ内容で有る。
「食後のドリンクはテーブル横に置いてある、ボタンを押してね♪」
「後、何か用が有ったら、気軽にボタンを押して呼んでね!♪」
伊藤さん姉妹へ配膳を終えた日向さんは、和やかな表情で俺たちに向けて言う。
ここも、陽葵先輩が代表で返事をする。
「分かりました。日向さん!」
「ありがとうございます!!」
「じゃあ、ごゆっくりと……陽葵ちゃんに、後輩さんたち♪」
陽葵先輩が笑顔で日向さんに言った後。日向さんは和やか表情で、陽葵先輩に言ってから厨房の方へ戻って行く……
「美味しそうなハンバーグだね!」
「お姉ちゃん!!♪」
桃香ちゃんは笑顔でハンバーグを見ながら、伊藤さんに言っている。
伊藤さんも少し嬉しそうな表情で、桃香ちゃんに話し始める。
「本当だね。桃香…!」
「じゃあ……食べようか!♪」
「後、すいません…。陽葵さん……」
「私たちを、待っていて貰ってしまって……」
後半の文章は申し訳なさそうな表情で、伊藤さんは陽葵先輩に言う。
けど、陽葵先輩は和やかな表情で、伊藤さんに言い始める。
「私は全然平気よ。亜紀ちゃん!」
「じゃあ、みんなで食べようか!♪」
「はい…///」
伊藤さんは少し頬を染めて、微笑みながら陽葵先輩に返事をする。
『いただきます!』
陽葵先輩と伊藤さん姉妹も、食事前の挨拶をしてから、それぞれの料理を食べ始める。
『カチャ、カチャ、―――』
陽葵先輩や伊藤さんは、スープで有る味噌汁から手に付けているが、桃香ちゃんはハンバーグを、フォークとナイフ使って一口大に切って、それを大きな口を開けて食べる。
「うん。美味しい~~♪」
「肉汁がお口の中で広がる~~♪」
桃香ちゃんは笑みを
虹心と同級生になる桃香ちゃんで有るが、まだまだ子どもらしさがかなり強い……
だが、そんなに美味しそうに食べられると、俺もハンバーグにするべきだったかなと感じてしまう!///
(桃香ちゃんは子どもらしい表情で、美味しそうに食べているな!)
(これが、普通の中等部三年生の姿だよな!!)
(そして……虹心の場合は、大人びすぎているのだよな!?)
「うん、うん。CLOVERさんの“かに”クリームコロッケは、何時食べても美味しいわ♪」
陽葵先輩も笑みを零しながら、かにクリームコロッケを食べている。
やはり、美味しい物を食べると、自然と幼さが顔に出てしまうのだろう。
(陽葵先輩の表情も良いな!)
(食べている姿も、絵に成るよ!!)
「……」
伊藤さんの場合は、澄ました表情で有るけど、口元を緩ませながらハンバーグを食べている。
(伊藤さんと食事をするのは、これで二回目になるが、今回が一番リラックスした表情の気がするな…!)
俺はそんなことを感じながら、伊藤さんが食べる姿を見ている。
俺は伊藤さんの姿を見ながら、前回一緒に食事をしたことを思いだしてみる……
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