第275話 たなぼた
「はい。武蔵君!」
「レシート!!」
「あっ、ありがとう。今日香ちゃん!///」
笑顔で今日香ちゃんは言って、俺にレシートを手渡す。
俺はそれを、嬉し恥ずかしそうに受け取る。
これで後は今日香ちゃんが『ありがとうございました~~♪』と、定番の挨拶を笑顔で言って終わるのだが……そうでは無く、笑顔で俺に話し掛けてきた。
「ねぇ、武蔵君たちは、何処に住んでいるの?」
「私に教えて欲しいな~~♪」
「俺たちが住んで居る場所?」
「俺たちは、学園近くの地区に住んで居るよ!」
俺は、今日香ちゃんからの質問を和やかな表情で答える
今日香ちゃんは和やかな表情で、俺に話し始める。
「学園近くの地区だと、このお店までは大分有ったでしょ~~♪」
「あっ、でも……譲羽さんからのお店なら、そう遠くないか…」
「ねぇ、武蔵君!」
「もうすぐ、二学期が始まるけど学園生活が楽しみだね~~♪」
「武蔵君は何処か、部活とかクラブ活動には入っているの?」
「俺は今日香ちゃんほど……学園が楽しみでは無いが、クラスメイト達ともしばらくは会っていないからな…!」
「……俺は部活動を特に、していないんだ…!」
「スポーツ系の部活は苦手だし、文化系も興味が湧かなかったから…///」
俺は今日香ちゃんからの質問を、穏やかな表情で答える。
本来なら格好を付けるべきだが、今日香ちゃんなら素で話した方が良いと感じて素直に話す。
「…………」
俺と今日香ちゃんとの
きっと心の中では『早く、終わらないかな……』と、感じているに決まっている!
「ふうん…。武蔵君は帰宅部なんだ!」
「じゃあ、僕と一緒だね!!♪」
「僕もお店のお手伝いが有るから、部活やクラブ活動は出来ないんだ!!」
嬉しそうな表情で言う今日香ちゃん。
だが、その部分を嬉しそうな表情で言う者か?
今日香ちゃんは表情を変えずに言葉を続ける。
「武蔵君。そうすると、学園が終わったら時間を持て余すよね!♪」
「もし良かったら、武蔵君には遠回りに成るけど、僕のお店に遊びへ来てよ!!♪」
「一人で店番をしていても詰まらないからさ!!!♪」
「武蔵君の為にケーキもご馳走するし、ちゃんと飲み物も出すよ!!♪」
「私、武蔵君のような人がタイプなんだ!!♪」
「真面目で清潔そうな男性が!❤」
「武蔵君と、もっと仲良くなりたいの!!❤」
「!!!//////」
(嘘だろ……今日香ちゃん!)
(出会って直ぐに、S○Xでは無いが、出会って直ぐに告白も、早々無いだろう!!///)
(俺は真面目な性格だと思うが……清潔感は感じるか!?)
「!!~~~//////」
今日香ちゃんは突然、俺に告白をしてきた!!
ラノベや漫画の世界でも無いぞ!!(汗)
俺は驚くが、俺より虹心の方が大仰天の表情をしている!!
虹心の人生の中では当然、初めて見る光景だろう。
俺の今日の恋愛運、強すぎるだろう!!
これで、俺の人生恋愛運は使い果たした!?
だが、此処で虹心が、今日香ちゃんに眉をひそめながら言い始めた!
「あの……新倉先輩!///」
「幾ら、兄ちゃんのことが気に入ったからで、お店の商品を
「新倉先輩は、洋菓子店の家族では無く“スタッフ”ですよね!」
「分別を
「それを世間では公私混同と言うのですよ!!!///」
「!///」
『スタッフ』部分を強調させて言う虹心!
さっき、真優美さんが俺に釘を刺したように、今度は虹心が、今日香ちゃんに凄く太そうな釘を刺した!!
それも、釘打ち機の様に連続で打ち込む!!
相変わらず、相手が先輩でも容赦が無い虹心……
虹心の言葉で、今日香ちゃんは当然驚きの表情を見せる!!
傍の目から見れば、今日香ちゃんの行おうとしている行為は、駄目な行為で有る……
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