第204話 驚き!?

『コン、コン♪』


「虹心~~。さっきの昼食代を払いに来たぞ!!」


『…あっ!』

『兄ちゃん。もう来たの!?』

『ちょっと、其処で待っていてね~~♪』


 俺は普段の口調で、部屋の中に居る虹心へ声を掛けるが、虹心は少し脅いた声を上げた後は陽気な声で言う?

 何かの準備でも、しているのだろうか??


 ……


 俺は今、虹心の部屋ドア前に居るが、虹心から了解の返事が貰えていないので部屋には入れない。

 直ぐに虹心から声が掛かると思って、俺は部屋前で待機をしているが……


「……中々、呼ばれんな…!」


 虹心から数十秒で呼ばれる者だと思っていたのに、数十秒では呼ばれない。

 午後から予定が無いと虹心は言っていたから、このまま虹心の部屋で俺は遊んで行くのだろうか?


(俺と遊ぶために、クッションの用意とかをしているのか?)

(けど、虹心の部屋に遊ぶ物なんて、漫画を読むぐらいしか無いよな)


 俺は青年漫画を好んで読むが、虹心は女性の割に少年漫画を好んで読む。

 自滅の刃とかワ○ピースなどの、少年たちが敵と戦う漫画を好む。

 小鞠ちゃんも虹心の影響をうけてかは不明だが、小鞠ちゃんも虹心と同じ物を好んでいる。


(虹心の部屋で、虹心が持っている漫画を読んで過ごしてもな……)


 俺は虹心と漫画のジャンルが違うため、虹心の漫画を借りて読みたいとも思わないが、虹心は俺が持っている漫画を借りに来る時が有る。

 破天荒の中年警察官を主人公した漫画や、不動産の裏をえがいた漫画を借りに来る時が有る。

 どちらもアニメ化やドラマ化がされており、その影響からだろう。多分……


『兄ちゃん~~良いよ!』


「じゃあ、入るぞ。虹心!!」


(やっと、OKが出たか…)


 虹心から了解の返事が貰えたので、俺は一声掛けてから、虹心の部屋ドア開けて入る。


『ガチャ♪』


 俺が部屋に入ると虹心は待っていたように、部屋の真ん中付近で立っている?

 だが、クッションは床には置かれていない?

 そんなに早く、お金が欲しいのか??


『パタン!』


 俺は部屋のドアを閉めて、部屋の真ん中付近に居る虹心の所に向かい、虹心に近付いて、千円札一枚を虹心の方に差し出す。


「虹心! ごちそうさま!!」

「約束通りの昼食代!!」


 俺は和やかな表情で言う。

 虹心は笑顔で、俺からお金を受け取りながら言い始める。


「はい!」

「確かに受け取りましたが……今から、お釣りを払うね!!」

「兄ちゃん!!」


「お釣り…?」

「千円丁度では無かったのか。虹心…?」

「まぁ、俺も小遣いが潤沢では無いから、値引きされるのは嬉しいが……」


「~~♪」


 俺が不思議そうな表情で言う中、虹心は笑顔で、千円札一枚をパーカーのポケットに仕舞うと、俺を方を定めるように一瞬見て、笑顔で言いながら急に俺に抱き付いてきた!!


「はい! 兄ちゃん~~お釣りだよ!!」

「お釣りは、私の体で支払うね!❤」


「こっ……こら、虹心!!//////」

「自分で言って置きながら、何をしている!!//////」

「俺への性的行為は、求めていないでは無いのか!!//////」


 俺は頬を染めて、焦った表情で言う。

 俺が求めた時は拒否した癖に、今は虹心が俺を誘惑しに来ている。

 だが、虹心は嬉しそうな笑顔で言う!?


「兄ちゃん!♪」

「私は、兄ちゃんを求めての行為では無いよ!!」


「これは昼食代のお釣りを支払う為に、行っているのだよ!!」

「でも、大好きな妹に抱き付かれて、嬉しいでしょ兄ちゃん!❤」


 俺は昼食代を支払いに来ただけなのに、久しぶりに虹心とピンクモードに突入してしまう!!

 俺は今回も、虹心からの誘惑に勝てるだろうか!!

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