第191話 予想外の相手からの告白!?

(時間的に虹心の方が、俺より早く家に帰っているのに、まだ学園服姿?)


 虹心はつい最近まで幽霊部員で有るのに、演劇部の部活動を積極的に参加していた。

 それは夏休み前の週末に開催される、夏の小演目が関係してくるのだが、それは先週末に無事終えている。


 その為、虹心は再び幽霊部員に戻って、現在は帰宅部に近い行動をしている。

 虹心は部屋のドアを閉めて、突然笑顔で言ってくる!?


「兄ちゃん♪」

「大事な、お話しをしに来ました!♪」


「えらい……嬉しそう言うな。虹心…」

「もしかして、小鞠ちゃんが園芸クラブの男子と別れたとか?」


 俺は不思議な表情をしながら言う。

 俺に取って大事な話と言えば、それ位しか無い。

 だが、虹心は笑顔で言葉を続ける。


「残念!♪」

「小鞠ちゃんのことでは有りません!!」

「私からです!!!」


「そっか……小鞠ちゃん絡みでは無いのか…」

「それで、どうした虹心?」


 小鞠ちゃん絡みの話しでは無かったので、俺は落ち込んだ表情で言う。

 虹心はその表情で、言葉を続ける。


「ねぇ、兄ちゃん!」

「私の姿を見て、どう思う!♪」


「んっ……虹心の姿を見て!?」

「何時も通りの、制服姿では無いか……」


 虹心からの変な質問を『?』の表情で言う俺。

 葉月学園の制服は俺好みの制服で有るが、虹心の制服姿を見て発情するほど、俺は愚かでは無い!?


「そう! 制服姿!!」

「そして、兄ちゃんも制服姿!!」

「お家の中だけど、学園気分だね♪」


「??」


『虹心は何言っているのだ!』と、思わず感じてしまう!!

 今日の虹心は、凄くおかしいと言った方が良いだろう!

 俺の部屋に入ってからずっと笑顔で有るし、訳の分からない事を連発して言っている!!


 妹の制服姿なんて、完全見慣れているし新鮮さも無い。

 この時期だから……腐りかけの物を食べて、頭が変にでも成ったか!?


「……兄ちゃんは、私のこの姿を見て何か『グッ』と来る物は無いの?♪」


「……来る訳無いだろ。虹心!」

「何年、その姿を見ていると思うんだよ!!」


 虹心は笑顔で言うが、俺は不満の表情で言う。

 虹心がまだ、中等部一年生だったら考えないことも無いけど!?


「そうなの!」

「じゃあ、普段通りの方が良かったか~~~」


 虹心は和やかな表情で言うが、虹心が何をしたいかを俺は“さっぱり”理解出来ない。


「虹心…。いい加減、本題を言ってくれ!」

「後……今日の虹心は、思いっきり変だぞ!!」


 俺は、眉をひそめながら虹心に言う。

 すると、虹心は急に頬を染め出して、上目遣いの表情に成って言い始める!?


「兄ちゃん!//////」

「私ね……小鞠ちゃんの時以来から、色々と考えていたんだ!//////」

「兄ちゃんの周りから小鞠ちゃんたちは離れちゃったけど、まだ、私が居るんだよ!!///」


「いっ、いきなり、何を言い始める。虹心!///」


 俺は虹心の言葉で、焦った表情に成って言うが、虹心は言葉を続ける。


「私は兄ちゃんのことが大好きだし、兄ちゃんも私のことは好きでしょ!//////」

「これから楽しい夏休みだけど、兄ちゃんの場合は不幸の夏休みでしょ!」

「兄ちゃんが良ければ、私が兄ちゃんの恋人代わりに成って上げるよ!!//////」


「…………」


 虹心はいきなり俺に告白をしてきたが、どう対処すれば良いのだ!?

 虹心が、俺のことを好きで有ることは以前から知っているが、兄妹愛以上の関係は深めないと言っていた筈だ……


(虹心は物心が付いた時から、兄が大好きで有ったから、俺と虹心の関係は深いようで浅い……)

(虹心は妹で有るが、美少女でも有る…)

(妹でも……女性は女性だ…///)


 俺は虹心からの言葉を、素直に受け入れるべきか……

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