第161話 今の状況を知る妹

「伊藤さんは俺のことを一通り聞き尽くした後。都合良くクラスの子から呼び出しの連絡をメールかRailで貰って、ほぼ自分勝手で教室に戻ってしまった……///」

「中途半端な、伊藤さんとの昼食デートで終わって仕舞ったのだけど、其処に運悪く花壇の様子を見に来た、小鞠ちゃんと鉢合わせをして仕舞って……(汗)」


「成る程ね…!」

「小鞠ちゃんは、本当にお花が好きだからね……」

「これは私も、つい最近小鞠ちゃんから聞いたのだけど、そうやって花壇の様子を時々、見ているらしいよ!」


 困った微笑みの表情で言う虹心。

 だが、虹心は表情を曇らせながら言い始める。


「だけどさ兄ちゃん…」

「小鞠ちゃんと鉢合わせしたのは仕方ないとして、どうして喧嘩までに発展しちゃったの……」


「俺は小鞠ちゃんと喧嘩をするつもりは全く無かったのだけど、小鞠ちゃんが一人で勝手に切れだしてね…///(汗)」


「一人で勝手に切れた…!?」


 俺は澄ました表情で言う中。虹心は眉をひそめながら言う。


「小鞠ちゃんは俺との会話を求めていたのだけど、俺は小鞠ちゃんとの急激な展開を望んで無かったから、やんわりと断ったら小鞠ちゃんが怒ってしまってね……」


「あちゃ~~」

「馬鹿な兄ちゃんだね!!///」


「どうして、そんな行動を取ってしまったの!!///」

「そんな状況じゃ、小鞠ちゃんと仲良く出来ないじゃん!!(怒)」


 虹心は呆れ返りながら言った後。怒った表情をして言う。

 その言葉に対し、俺は困った表情をして言う。


「…そんな事を言っても、虹心……」

「俺は小鞠ちゃんより伊藤さんたちを求めていたし、虹心も俺が伊藤さんと結ばれることを応援していただろ…///」


「まっ……まぁ、それはそうだけど…///」


 言葉を詰まらせながら言う虹心。

 俺が小鞠ちゃんを怒らせた理由は、俺が二村さんを意識しているから、それで怒っただけで有る。


 俺が素直に謝れば、優しい小鞠ちゃんのことだ。

 きっと、笑顔で許してくれるし、俺との関係も再度深めてくれるだろう!!


「虹心…。明日、家に小鞠ちゃんが来た時に、直ぐ謝るよ///」

「そうすれば、きっと小鞠ちゃんは、笑顔で許してくれるはずだ!!」


「……」


 俺は楽観的な口調で虹心に言うが、虹心は言葉を発せず、表情も曇ったままで有る!?

 悩んだ表情に成って、虹心は話し始める。


「う~ん……」

「そんなに上手く行くかな…?」

「私に相談を求めて来なかったと言うことは、小鞠ちゃんも小鞠ちゃんで、兄ちゃんに見切りを付け始めているのかも知れない……」


「えっ!?」

「そんな訳無いだろ。虹心!!」


『武蔵さんが考えを改めるまでは、私は武蔵さんとは関わりを持ちません!!』


「と、捨て台詞を吐いて、小鞠ちゃんは去って行ったのだよ!」

「俺は伊藤さんを失って、考えを改める訳だから丸く収るだろ!!///」


 俺は虹心の言葉に対して、興奮気味の表情で反論をする。

 小鞠ちゃんが怒った理由は“やきもち”から来る物で有り、俺の人間性で怒っている訳では無いからだ。


「……兄ちゃんの言いたい事をも分かるけど、それなら私に絶対相談する筈なんだよね?」

「兄ちゃんに一番近い存在は、私で有るから……」


「なら、私から少し探りを入れてみるか…!」

「小鞠ちゃんが兄ちゃんに興味をまだ持っているなら、何かを言って来るだろうし……」


 虹心は困った表情で言うが、途中から穏やかな表情に変えて言う。

 俺は、まさかと考えてしまうが、今回の行動で小鞠ちゃんは、俺に見切りを付けた可能性も有る訳か!?


「兄ちゃん!」

「後で、小鞠ちゃんに聞いてみるよ!!」

「兄ちゃんから相談を受けたと言えば、小鞠ちゃんも全てを話してくれると思うし!!」


 和やかな表情で言う虹心。

 俺の為に、虹心が一肌脱いでくれる!!


 本当に頼りに成る妹で有る。

 敵に回すと厄介な虹心で有るが、味方の時は本当に頼もしい!!


 ……


 この言葉の後。虹心は食事を再開させて、俺も残っているパスタを食べ始める。

 虹心が何時、小鞠ちゃんに連絡を取るかは聞いていないが、きっと良い方向へ向かうだろうと思いながら、俺は虹心と共に昼食を食べた。

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