第22話 お前が食べたいだけじゃねーか!
「おいおい、なんだそのなにか企んでる笑みは」
「いえ?別になにも変な事なんて考えてないけれど?」
「それは考えてる人が言うセリフだぞ」
「立川くんは食べたくないの?デザート」
「変な物じゃなきゃ食べたいな。なんか甘いものとか」
この顔、確実になにか企んでいる。
映画でよく悪い事を考えている人がする表情だ。俗に言う悪い顔。それを氷見谷みたいな見た目クールな美少女がやると、様になっているのがまた恐ろしい。
だが、大体予想は出来る。
1つ目は「デザートは、わ・た・し」と机を乗り越えてこちらに迫って来る。
2つ目は、千葉をデザートにする。
俺的には2つ目が濃厚だ。
どうせ千葉を全裸でテーブルの上に寝かせ、隅から隅まで舐め回すだろう。挙句の果てに、乳首にホイップクリームとか、おへそにカルピスとか入れて舐めそうだし。
「うーん、甘くはないわね」
「それはデザートって言わなくね?」
「最近は甘くないデザートが流行ってるのよ?知らないの?」
「全く存じ上げないのだが」
甘くないデザートってなんだ?もしかして氷見谷はポテチがデザートとでも言いたいのだろうか。もしそうなら単純に頭がおかしい。
「すぐに分かるから見ててちょうだい」
氷見谷はそう言うと、
「心葉~、洗い物終わったでしょ?ちょっとこっち来てくれないかしら」
キッチンにいる千葉を呼び出した。
ヤバい、既に嫌な予感がするし、予想が半分以上的中している。
てかもう確定演出の流れが出ている。
でも、まだ決めつけてはいけない。他の展開も大いに考えられるはずだ。少し想像してみよう。
まず、他展開1つ目。千葉を呼んで「心葉、デザート作ってくれない?」。これが一番あり得る。
そして、めんどくさがりながらもデザートを作り始める千葉。これなら大いに考えられる。
他展開2つ目。「私、デザート作るから座って待ってて」。これもありえる。
氷見谷は料理が上手い。という事はデザート、お菓子やケーキなども作れるかもしれない。
どちらにせよ、結果は分からなないから展開を待つのみだ。
「次はなによ~」
お皿洗いをする為にか、ポニーテールにしていた髪を解きながらこちらに向かってくる千葉。
「私、デザートが食べたいな~って思ってるんだよね」
「そうなの?調味料片付けた時に冷蔵庫見たけど、何もなかったと思ったわよ?」
「いやいや、材料は要らない。もう既に目の前にあるから」
「目の前?」
小首を傾げる千葉に、
「心葉、全裸になってテーブルに寝そべって。私が美味しくいただくから」
「お前が食べたいだけじゃね~かよ!」
見事、2つ目の予想が的中した。
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