第15話 飛行魔法もあるゼシャラルブ、第四皇子
夜の時間になった。
ということで俺はさっそく飛行魔法を使って屋敷から出ていく。
この前、発見したダンジョンに行ってみることにした。
「お、あったあった」
まだ俺以外に発見されていないことに安堵した。未ダンジョン発見者が国にダンジョンがあることを伝えると報酬をもらえたりと良いことがあるがそのダンジョンは国が管理することになるため、こうして無断で入ることができなくなるのだ。
ダンジョンに来たのには理由がある。そう飛行魔法を試すことである。
屋敷にある歴史書を暇つぶしがてら読んでいると飛行魔法にも攻撃できる技があることを知った。技と言ってもわかりやすいようにしただけだ。だからいちいち技名を言う必要はない。
攻撃といっても飛行魔法は生き残ることに特化した能力だから他の能力と比べると劣ることはわかっている。
学園で能力を使う場面が来るだろうが飛行魔法とバレたら第四皇子であることは気付かれるだろう。だから今のうちに攻撃できる技をマスターしておいて風魔法であると思わせたらそれでいい。
風魔法と飛行魔法の違いは飛行、つまり空を飛んだ時に自由に動けるか、ということである。例えば風魔法は飛行魔法と違って空でバク転しようと思えば落ちてしまうとかだ。
ダンジョンに入ってみるとオークを見つけた。世間ではオークのことをまるで野獣みたいというらしいが俺はそうは思わない。でも俺が今からすることは野獣に対することと同じだ。
—オークからいくつもの浅い切り傷が見える。
「グォ?」
オークもいつもの間にできた?みたいに思っているはずだ。
そう飛行魔法にはこの攻撃?できないのだ。でも同じところにまた切り傷をつけると、
―オークはさきほどの切り傷から出血していることに気付いた。
出血させることが可能になる。ただ多量出血で死ぬまで耐えなければならないのだがな。
今回はこのぐらいにして飛行魔法のことは終わりにしてと。
俺は切り傷があるオークの真ん前に立つ。
オークは気付き、持っていた棍棒で俺に向かって振ってくる。
ドカッ!!
ゼブは抵抗せず受けて壁に思い切り叩きつけられる。明らかに鈍い音がした。
だがその瞬間オークが吐血した。
ゼブは何事もなかったように立ち、もう一度オークの目の前に立つ。
「グォォオ!!」
オークは自分がなぜ吐血しているか理解できず思い切り地面に叩きつけるようにゼシャラルブに対して棍棒を振るが。
ゼシャラルブが地面に思い切り叩きつけられた瞬間にゼシャラルブを叩きつけたはずのオークが倒れる。
「こんなものか」
ゼブはそう呟いてダンジョンを後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます