立派な大人
シヨゥ
第1話
立派な大人。それはどういうものなのだろうか。
働いていれば立派なのか。独り立ちしたら立派なのか。そもそも立派とは。
立派とは『欠点や不足がない』とか『威厳があって美しい』とかそういう意味のようだ。この意味から考えるに立派とは相対的に測れるものではないだろう。
自身がなにか欠点を持っていると思っていても、ある人から見たら完璧だと見えるだろう。
自身がなにか後ろ暗いものがあって醜いと思っていても、ある人から見たら威厳があって美しいと見えるだろう。
立派な大人と判断してくれるのは誰か。その設定が必要な気がしてくる。
口やかましい親なのか。高圧的な上司なのか。甘やかしてくれる彼女なのか。
設定次第で立派の度合いは全然違うものになるのだろう。
特に今を生きる人はその尺度を常に変えていく。要するに当てにならないのだ。
だったら故人に評価してもらおう。そう思っても死人に口なし。評価なんてできない。
だったら誰か。生きていて、それでいて過去の価値観が揺るがない存在。
考えつくのはひとりだけ。自分の子供時代だ。
記憶は遥か彼方だ。しかし『子供の時ならこう思っただろう』という想像はし易い。
立派な大人かどうかをはかる時、今の自分を子供の自分が見たらどう思うか。それで判断してみたらいいと思う。揺るがないし、揺らぐならそれは嘘が混じっている。
自分の子供時代にかっこいいと思った大人。それが立派な大人なのだと思うのだ。
立派な大人 シヨゥ @Shiyoxu
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