第175話 ドラフト1位で入団して
どうも。
京阪ジャガーズ所属の山崎健太郎です。
最近、ネット小説で「ドラフト7位で入団して」というのがあるのを知りました。
読んでみたけど、全く面白くないですね。
心理描写や風景描写が甘いとか、文章が稚拙だとか、筆致が淡々とし過ぎとか、突っ込みどころはいっぱいありますが、1番の問題は主人公です。
そもそもドラフト7位入団のモブキャラを主人公にした小説が、面白いわけないですよね。
野球小説なら、高校時代に全国制覇を成し遂げ、ドラフトの目玉として、プロ3球団から1位指名を受け、人気球団の京阪ジャガーズに入団し、絶対的なエースとして活躍し、近い将来のメジャー挑戦を視野に入れているような選手を題材にすべきでしょう。
「ドラフト7位で入団して」の主人公の高橋隆介という選手は、高校時代のチームメートだったので、よく知っていますが、乏しい才能を努力によって、小さく開花させた、地味で健気な選手です。
悪い奴では無いですが、喧嘩っ早いところがあって、あいつのせいで、他校と喧嘩になったことは一度や二度ではありません。
頭も悪く、高校時代のチームメートにゴリラがいたのですが、そいつとテストではいつもビリ争いしていましたね。
恐らく、チンパンジーと知恵比べしても負けるでしょう。
ところでチンパンジーとオラウータンではどっちの方が野球が得意か知っていますか?
答えはチンパンジーです。
なぜならオラウータンは自分から打つのを放棄しているからです。
名前が「オラ、打たん」ですから。面白いでしょ。
何の話でしたっけ?
あ、そうそう、思い出した。
ところがそんなバカに同情したのか、母性本能がくすぐられたのか、高校の野球部随一の美人マネージャが奴と付き合うようになってしまいました。
世の中おかしいですね。
弱みでも握られているのかと思っていたら、何と最近結婚してしまいました。
何たることでしょう。
僕はこの世の中に神も仏も無いことを実感しました。
話がずれてしまいましたが、何を言いたいかというと、この度僕を主人公にした「ドラフト1位で入団して」という小説をリリースすることにしました。
抱腹絶倒、滑稽洒脱、不撓不屈、精励恪勤、勧善懲悪、万民感涙、奇想天外、四捨五入。
まあ、そんな物語になることでしょう。
恐らく、発表と同時に日本中で話題になり、書籍化、コミカライズ、ドラマ化、映画化され、やがては外国語に翻訳され、ハリウッド映画にもなるかもしれません。
その場合、僕の役を演じる俳優は誰が良いですかね。
まあ僕本人が演じてもいいですけど、あまり目立つのは好きではないので。
まあそんなわけで、作者には新たに「ドラフト1位で入団して」という小説を書かせることにしました。
作者も最近はネタ切れで困っていたようですので、ちょうど良かったのではないでしょうか。
そもそもドラフト7位で入団したモブを主人公にしたから、ネタ切れになるのであって、初めから僕みたいなスーパースターを主人公にしていたら、そんなことも無かったでしょう。
ということで、「ドラフト7位で入団して」は、昨日の話をもって、半永久的に中断します。
明日からは、僕を主人公にした「ドラフト1位で入団して」を掲載しますので、皆様、よろしくお願いします。
…。
……。
………。
作者です。
私が山崎と約束したのは、気が向いたら、スピンオフとして書く、ということだけです。
頻度は約束できませんが、時々彼の目線で見た物語をアップしたいと思います。
引き続き、本編共々よろしくお願いします。
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