琥珀の薔薇

作者 永遠

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僕には大切な本がある。 永遠

「読みたい本がある。それは見えない本。見えてはいけない本。見えないまま、心の中にいて、僕を満たす本」

「じゃあ私は、その本を君にあげるよ。だから、君の時間を一か月、三十日だけ私に頂戴」

　ある日の公園で、二人は出会った。

「本当にそんな本をくれるのなら、僕の時間なんていくらでもあげますよ」

　これは、少し歪な、たった三十日間の彼と彼女の物語。

　目を閉じれば、鮮明に浮かび上がってくる。それほどまでに、君との出会いは劇的だった。

　そのたびに思うのだ。きっと、君が枯れたのは、僕と出会ったその時だと。


＊不定期更新
＊小説家になろうにも投稿しています。