腸(はらわた)
「…まぁ話は分かったよ…けどな、
「感情を…もっていられない…!?」真白は目を見開く。「かつておれ達には、感情を切り離さざるを得ない、何か衝撃的な事があったんだよ…身体から感情だけが抜け出る、なんて
「やり場のない…怒り…」
「てめえは既に「喜び」の感情を取り戻してるみてえだが、「怒り」は負の感情だ。安らぐことのない苛立ち、焦燥…それを受け入れる覚悟がてめえにあんのか?」
皆の視線が真白に集まる。少しの沈黙の後、真白が唇を動かし始めた。
「これがあなたのいう覚悟なのかどうかは分かりません…でも、断言出来る事が二つだけあります…」
赤は目を細める。「断言出来ること、だと…?」
「わたしは…たとえ何が待ち受けていようとも自分の過去を思い出したい…それに…」真白と赤の目が合う。「あなたの言っている事が事実なら、あなただけに「怒り」の辛さを背負わせる訳にはいきません!」
「…!」赤は思いもよらなかった二つ目の答えに目を丸くした。真白と赤以外の者達が、息を呑んで二人の行く末を静かに見守る………
「……てめえの
–––
「真白…」「ごめん、ちょっと風にあたって来る…」真白はワゴンを離れて近くの森に入った、そして一番近くにある岩を…力一杯殴りつける。岩はがらがらと大きな音を立てて砕け、ざぁっと土煙が舞った。
「何で…何でわたし達が…こんな目に!」真白は拳からボタボタと流れる赤い血にも気付かずに、荒々しくそんなことを呟いていた。
…その目に
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