水浸し
「どーもー、忙しいのにごめんね〜!…さてと、話せることから話してもらってもいいかな?今あなたの周りで起きている不思議な現象について。」
「う、うん…」投稿者の少女は、少し
「始まったのはつい最近なんだけどね…イライラしたりカッとなった時、気が付いたら周りがビシャビシャになって、すごく大きな水溜りが出来てることがあるんだ…なんでそんなことが起こるのか分かんないし、気味悪くて怖かったからいつもすぐその場から離れてたんだけど…でも、誰かに自分の不安を聞いて欲しくて…それにひょっとしたら同じようなことが他にもあるかもって思ったから…」
「SNSって訳か…それでさ、水浸しになっちゃった時、普段と違った事とかあった?周りの環境とか、自分の健康状態とか…思い当たることがあったら何でもいいから教えて欲しいな!」期間限定メニュー「苺一会」を飲みながら韋駄天が尋ねる。
「それ以外は…あっ、そういえば水溜まりに映った自分の目が、一瞬赤く見えたような…充血って訳じゃなくてほら、普通日本人って目が黒か暗い茶色じゃない?それが…まさにアナタが飲んでるイチゴのヤツみたいに、綺麗な赤色になってた…ような気がしたんだけど…気のせいだったのかなぁ…」
その後もう少し話をして、何か分かったら連絡すると伝えた後、真白達はその少女と別れた。
「どうでしたか」
「…どうやら彼女だけじゃなかったか。水溜まり、突風、目が赤く見えた、腹が立った、イライラしてた、むかついた…」
韋駄天はスマホを
「…韋駄天さん」
「ん?あぁゴメンゴメン、ちょっと調べものしてた。どうもワタシらが知らなかっただけで、世の中では結構同じような事例が確認されてるみたい。そこで確証はないんだけど、ワタシなりにこの現象について仮説を立ててみたんだ。」スマホから目を離すと、韋駄天は真白に説明を始めた。
「いい?まずキーポイントが強い感情、そしてその感情がきっかけとなって、外界の水や風といった事物に作用する。誰しもにそんな力があるとは思えないし、ワタシの考えもあくまで推測の域を出ないけど…まぁそんな感じ。」
「感情ですか」
「うん。今のところ確認出来た現象は水溜まりと強風、そしてトリガーは「怒り」の感情…だけど、それ以外の感情でも何か起こるのかもしれない。影響を与える対象も水や風だけじゃない、って考えた方が自然だし、それに感情以外にも何か要因があるかもしれない…いいね、知的好奇心がうずくよ!」天才スイッチが入った様子の韋駄天は、頬を紅潮させ笑みを浮かべる。
「…目が赤く見えた、でしたよね」
「あぁ、あの子も言ってたね。SNSでも何人か同じようなこと言ってた人がいたから、それも合わせて調べなきゃ!充血とかじゃなくて、目の
「……ん!?…ワタシの目………黄色くなってるね…」
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