ボケ役の彼が溢す、ツッコミ役への届かぬ思いを込めた初めてのツッコミ。

知ってたか?

センターマイクっちゅうのは、真ん中にあるからセンターマイクなんや。

そう言って彼はこちらの様子お構いなしに話し続ける。

学生の頃の話、大学の話。ノリと気合いでコンビを組んで会場を沸かせるために頑張ったこと。

彼は懐かしみながら、時々ボケとツッコミを織り交ぜて愉快に話す。

これは、一人のボケ役の独白。届かぬ思いに残酷な過去を乗り切ろうとするものの、未だ脳裏をちらつく顔。

前向きな思いとは正反対の思いがどうにももどかしく絡み合うヒューマンドラマである。

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