神託【見えないフィルター】

神社参拝で目を閉じ視えるは、指で窓の形を作る手の形。

そこを覗くと、同じように覗く優しい目を見たこともあった。

何度も何度も視える、指で作る窓。


その窓越しに視える世界は,神の世界から覗き、人類を見つめていた存在なのか

その窓が視えてから、一年過ぎたであろうか?

ある日突然,天照様から答えを与えられた。

人々が勝手に抱く、フィルターだと言うのである。

手の窓こそ、自分の価値観をベースに覗く、フィルターだという。


フィルター越しに見ている世界を認識させるため、手の窓が視えたと言うのである。


神社もまた強烈な磁場で成り立つ、神様に通じる窓なのかもしれない。

しかし、すべての社がそであると言えない現実がある。神が去った場所を魔が占拠している場合もあるのだ。実際に参拝したことで金の枝目の物の怪を、引き寄せた事実もあった。

 

人は自覚ないまま、これまでの経験と物事の考え方を、ベースに会話をし行動する。


誰もが皆、一様に正しいことと認識し、世間の常識から越脱しているかもしれないという考え方は皆無である。

その中で自分の考え方を正しいと、周りに周知することでコミニュケーションをはかる。

時には無言の圧力で、パーソナルスペースを確保しているのかもしれない。


圧倒的多数の他者評価こそ正しいと思い込んではいないだろうか?

その評価にそぐわない自分の枠を決め、【普通】を判断していないだろか?

【普通】という概念の中で、個性すらも容認できる、幅広い世界を願っている。

 

偏った【普通】や【常識】という言葉。自分の正当性を誇示する事で起きる、他者攻撃。

その陰で、優しく繊細な人ほど過敏で、排他されることに怯えている。


リアル世界の私も、充分そのたぐいに分類されるだろう。

 

人は傷つくことに怯える。

何故なら、生命の危機に直結するからだ。

リアルに傷口からドクドクと流れる血が全ての現実ではない。


見えない傷がいかに重大か考えてみると、【見えない】【気づかない】故にひとり抱え苦しむことが多い。


まさに見えない傷さえも視えてしまうフィルターがあるなら、重症な人ほど自分の傷の深さを知らなかったり、認めることで崩壊することを恐れているのである。


それ程までに心の傷は伝わりにくく、深ければ深いほど偽る術を生きる為に、身につけてしまう。

 

その部分を闇に葬らなければ生き残ることが出来ないと、本能が知られるのだ。

傷つかないふりを続ける事で自分を殺さなければなかった魂は、意外に多いことを私は知っている。


私自身がその一人であるからだ。

傷つく要素の中に、自己否定が一番大きく自虐的に問題行動に繋がっていく未来に、幸せがあるかと問いたい。

 

詰めるのであれば、その自己否定こそ正しいのか、今一度考えてほしいと思うのだ。


フィルター越しの世界で受け入れ難い他人の価値観。

無理やり押し付け、争いが起きないはずがない。


当然である。


相手の言葉が、本当に正しいのだろうか?

自分を信じないのは何故か、信じる心を折られたからだ。


その心を折ったのは、誰だ。


所詮取るに足らない正義も、何も持たぬ戯れだったとしたらどうだろうか?

 

それでも相手が全て正しいと言えるだろうか?


普通や常識という枠の中でしか

息もできない言葉が、本当の正義か?

現実か?


答えは否だ。

 

自分の枠を決めているのは、過去に傷ついた自分なのである。

人に嫌われない様に、顔色を伺い怯えている心である。

 

本当はもっと自由で飛び超える力が有る事を、何故信じない。


自分の可能性を信じれぬ者が、誰かの為になるなど笑止千万と本気でぶったぎって来られた結果、今の私が居る。

 

そしてその多くを語るに、私ではない誰かに思考を操られるかの如く、伝えろと強く急かされる。

 

今、目の前の魂の灯を消すことなかられ。

灯りを消すくらいなら、現実を受け止め、乗り越えるほうがたやすい。


誰かの魂に火を付ける程熱くなれ!

 

そう急き立てられ、私は、文字を綴る。

 

私自身、【普通】からそれた存在。

しかし、そこを自分の場にする為の努力を惜しまない。

 

悩み苦しみから開放されるために、幸せになる為に生きている。

 

負けたままで死んでたまるかと、這上がてきた。

その先にみたものこそ、思考の逆転の連続。

 

とうに限界など越えていた。


それでも立ち上がるのは、まだ見ぬ明日を掴むため。

作家として、表現者として認められる為、私は向き合う。

 

表現することが唯一、許された自由だった。

 

そこに世界の終わりは存在しない。

希望を失った瞬間こそ、真のゲームオーバーなのだ。

 

諦めの悪い自分は、足掻く。

生きていると、実感するために泣き、そして笑う。

 

いつか出会うその時まで、今置かれた場所で、守るものの為に戦う。


それが、世の中の作家が作り出す作品である。

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