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のはらはさなぎのために縁側に置いたままにしていた麦茶とスイカをお盆の上に乗せて、自分の部屋まで持ってきてくれていた。
そのスイカ(の最後の一つ)をさなぎは食べているところだった。(麦茶も二つのコップの中からもう、なくなっていた)
のはらの部屋はとても綺麗に片付いている清潔な部屋だった。
床は畳で、部屋の中には出入りをするためのふすまとは違い、服や布団などが入っているもう一つのふすまがあった。
(その中をのはらは少し恥ずかしそうにしていたけど、さなぎに見せてくれた)
部屋の中には勉強机と小さな鏡と小さな箪笥があった。
(机の上には時計とぬいぐるみが置いてあった。かわいいくまのぬいぐるみだ。そこにはランドセルがあり、勉強道具もきちんと整頓されて置かれていた)
「どう? なんにもない部屋でしょ?」とのはらは言った。
のはらは部屋の電気を紐を引っ張ってつけなかった。(電気をつけなくても良いくらいに、部屋の窓からは明るい太陽の日差しが差し込んでいた。
「そんなことないですよ。とても素敵なお部屋ですね」
とさなぎは言った。
そのさなぎの言葉を聞いて、表情を柔らかくしたのはらは「どうもありがとう、さなぎちゃん」とさなぎに言った。
それから二人は座布団の上に座って、お話を始めた。(のぞみさんがやってきたのは、それからすぐのことだった)
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