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のはらは(自分の家なのだから当たり前なのかもしれないけれど)あんまり探索をせずにさなぎに自分の家のいろんな場所を案内してくれたけど、さなぎはどの場所を見ても、どこでもとてもわくわくした気持ちになった。
細かい家の作りは今まで住んでいたさなぎの家とは全然違ったし、雰囲気も、匂いも違った。(暖かさだって違っていたかもしれない)
そんな違いや、伝統のある古い家の作りやそこでの生活の様子を想像するだけで、さなぎはとても楽しい気持ちになれた。(それは妖精さんも同じだったようだ。妖精さんはさなぎと同じように、きょろきょろとのはらの家の中の様子をずっと、飽きることなく観察し続けていた)
『なんて言ったらいいんでしょう? なんだかとても懐かしい気持ちになりますね』と妖精さんはさなぎに言った。
「それ、ちょっとだけわかる。私も、なんだか映画でも見ているような気持ちになった」と小さな声でさなぎは言った。
さなぎと妖精さんは、今、のはらの部屋の中にいた。
そこある座布団の上に座って、のはらが帰ってくるのを二人だけで、待っている。のはらの部屋の中にある時計の指している時刻は四時だった。(もうそろそろ家に帰らなければいけない時間だ)
そのことを気にしてのぞみさんがさっき、のはらの部屋にやってきて、「さなぎちゃん。お家に電話で連絡をしてもいい? きっとさなぎちゃんの家族のみんなが心配していると思うの」と部屋の中でくつろいでいたさなぎに言った。
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