第6話 雪ちゃんも見てるんだけど?
おたくんにお弁当を渡した日、その日は記念日として覚えておこう!そして毎年祝うんだ♡おたくんと仲直りした日って♡
お弁当箱を返してくれたおたくんだったけど、その後は隣のクラスの渡月さんと一緒に帰ってしまった。あぁ……渡月さんと腕なんか組んじゃって、……くうぅ!
二人の後をついて行ったけど、そのままおたくんの家に入ってしまった。
ぐぬぬ……私だって何年も、おたくんの家に入ったこと無いのに……。
おたくんに寄り添うのが私じゃないのが、とても悔しかった。
それから私は、いつものように……毎日おたくんに愛妻弁当を作っては食べてもらった。
毎日だよ?もう、毎日おたくんは、私のお弁当を食べてくれるの♡
うふふ♡明日は何を入れようかな?もちろん変なものは入れないよ?
だって、私のお弁当だから……入れるのは私だけだよ?
おたくんには私を食べて欲しいからね……♡
早くおたくんには、本当の私を食べてほしいな♡
◇◇
最近のおたくんは、顔色も良くなってなんか健康的に見える。私のお弁当が効いてきたのかもしれない。ちゃんと、栄養のバランスも考えてあるんだよ?
私は小さい胸にコンプレックスがあるので、効くか分からないけど、おっぱいを大きくするサプリメントを愛用しているの♡これは内緒だけど、おたくんのお弁当にも入れてあるよ?だって私と同じものを食べて欲しいの♡
でも、今日のおたくんは顔色が悪い。私は心配になったので、先生に許可を貰って、おたくんを保健室まで連れて行ったの。
おたくんをベッドに寝かせていたんだけど、おたくんは、何故か血だらけになってて……怪我したのかな?とにかく大変だったよ!
保健の先生に話を聞いたら、おたくんには初潮がきたらしい?
え?初潮って生理のことでしょ?え?おたくんは女の子なの?
でも、おたくんには、可愛い男の子がついてるよ?
あと、先生の話だと、おたくんは女の子みたいに胸が膨らんできてるって言われたんだけど……。
ええええ?もしかして私のせい?お弁当にサプリ入れたのがダメだったのかなぁ……。
このまま、おたくんが女の子になっちゃったら…どうしよう?
◇◇
おたくんが目を覚ましたって保険の先生に聞いたので、心配だから家まで付きそう事になった。
渡月さんも心配そうな顔をして付いてくる。
お家に着いたので、おたくんのお家に入ろうとしたら、おたくんは必至に止めてくる。
「もう、ひとりにして欲しい」
駄目だよ?このままおたくんを一人に出来るわけないよ?
「おたるん?気持ちは分かるよ?でもさ、今おたるんを一人にしたら、絶対に後悔するって思うんだよ?」
「そうだよ!おたくん!おたくんの顔、今にも死にそうだもん!傍にいさせてよ!」
渡月さんも同じ考えのようで、おたくんの体を必死に抱きしめている。
「渡月さん……雪ちゃん……心配してくれて……ありがとう」
おたくんの目には涙が溢れていて……。
私も、もらい泣きするくらい……おたくんの心は、もういっぱいいっぱいになっているのが分かるようだった。
◇◇
「いいよ、入って?」
おたるんは、やっと諦めて、私と誰だっけ?この女を家に入れてくれた。
保健の先生に聞いた話だと、おたるには初潮が来たと言っていた。もしかしなくてもおたるは
だとしたら、今までの話も納得がいく。
今までは第二次性徴が来ていなかったので、その兆候が分からなかったんだ。
両親もいないし、相談出来る人もいなかったに違いない。
お祖母ちゃんはちょっと痴呆の気があるみたいだし、おたるを放って置くことは出来ない。
ちゃんとお医者さんに見せて対処しないと、大変なことになるのは目に見えているんだから。
「とりあえずさ、おたるんの部屋まで行こうぜ」
「うん」
「わ。私も行きます!」
「誰?あんた……あー、おたるんが泣かしたって子?」
「雪ちゃん……」
「へぇ……雪ちゃんっていうんだ?で、どんな関係?」
「お、幼馴染です!」
「ふーん、別に良いけど?おたるんが虐められてるのを、見て見ぬふりしてた事は覆せないよ?」
「それは……自分でも分かってます。でも、おたくんが許してくれるまで傍にいたいんです!」
「なんだよ……いい子じゃん!好きだぜそういうの。まぁ……そんなにおたるんの事好きなら、このまま傍にいてやれよ?ただし、彼女は私だけどな」
「ありがとうございます。渡月さん」
ま、いいか今のおたるんには、何本も太い支えが必要かもだし?
私達はおたるの部屋に入ってベッドにおたるんを座らせた。
相変わらず殺風景な部屋だ。留置所かここは?
「さて、おたるん?自分の事情は理解してる?」
「分からないよ?」
「そこから?ちゃんと、分かるように説明してあげるから理解するんだぞ?」
おたるんは、俯いたまま上目遣いで、うんと頷いた。
お~い、おたるん可愛すぎるよ!?今、写真に撮っておけば良かった!スマホ準備するからもう一回お願い!
「今日保険の先生が、おたるんに初潮が来たって言ってたでしょ?あれは、おたるんが、大人の女の子になったって事なんよ?ちょっと胸出してみて?」
おたるんの服をまくって胸を露出させると、女の子の第二次性徴の初期の膨らみかけのおっぱいが出てきた。乳首もすこし大きくなってきている。
「ほら、おっぱいもあるしねぇ」
「ええ?それじゃ……僕は、女の子だったの?」
「ちょっと違うんだな……おたるは、男の子のあれもあるじゃん?」
「え?ええ?どういうこと?」
「おたるんは、女の子でもあるんだよ?」
「つまりは、どういう事だってばよ?」
「だから、おたるんは
おたるのズボンを無理やり脱がせ、ナプキンがついたショーツは使用中だけど、交換するからそのまま脱がせちゃえ!
「と、渡月さん?あの、雪ちゃんも見てるんだけど?」
「あわわわわわわわ♡」
「いいじゃん♡わざと見せてんだよ?」
「はい!股開いて?もっと良く見せる!」
「ええええええ!?無理無理!恥ずかしいって!」
「「可愛い!この子♡」」
ん?この女……幼馴染だったか?私と気が合うじゃん。
「どれどれぇふむふむ……今まで隠れてて分からなかったけど」
「ええ?何?」
「おたるん?あんたにもあるよ?女の子♡」
「え?ええ?あるの?本当に?」
いいかな?触っても?……優しく♡
「これ?」
「あん♡渡月さん?今!何したの?」
「わ、私も! えい!ップっ」
「あん♡って雪ちゃん?やめて!」
あ~おたるん、赤くなっちゃって♡可愛いなぁもう!
「で、おたるん理解してもらえたかな?」
「……はい」
やっと、おたるんは理解してくれた。
「じゃ、次はナプキンの説明!付け方とか教えるからちゃんと覚えてよ?」
「……うん」
それから、おたるんに生理用品の使い方をじっくり教えて、買い方も教えたんだけど駄目だったから、これからは私が代わりに買ってくることにしたんだよ。
◇◇
渡月さんの話しで、僕は男の子でも女の子でもあることが判明した。
でも、渡月さんの話では、僕は男と女、どっちかを選ばないといけないらしい。
男女どっちに成りたいのか選ぶ必要があるって言われたんだけど、そんなに簡単に選ぶことなんて出来ないよ?
それにお医者様に行かないといけないんだって、そんなこと言われても困るんだけど?うちは頼れる人はいないから。お金もないんだよ?
それに早く選ばないと、あそこは小さいままだし、子供も作れなくなるって言われたら怖いよ?そのままじゃだめなの?
それに……僕のこれが大きくなちゃったら、渡月さんは僕のこと嫌いになるかもしれないし。
――だって、渡月さんは僕の小さいこの子が好きなんだから。
読者様へ
お読みいただきありがとうございます。
もっと続きを読みたいと感じて下さいましたら
☆☆☆、♡を頂けたら嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます