第12話 従者がつくの!? しかも、強すぎない!?
僕の鍛錬が始まって、早半年が過ぎた。
魔法の訓練で母上に僕が全属性に適性があることが分かった時は驚かれたけど、その後は順調に勉強が進んでいる。
この世界での魔法は簡易的ではあるが詠唱が必要らしい。母上レベルになれば無詠唱でも魔法は使えるらしいけど。やはりイメージ力がカギになるみたいだ。
火属性の「ファイアボール」なら、具体的な速さや大きさを思い浮かべると、大きさを変化させたり、速さを変化させたり、時間差で攻撃することなんかができた。酸素をより取り込むよう意識したら火の温度があがって周りまで灼熱になったときは、母上が口をパクパクしてた。
前世の知識があるからこそできることだね!!
こんな感じで基礎的な魔法を教えてもらったり、魔力を体中に循環させることで「身体強化」をする方法を教えてもらったりした。
個人的には「身体強化」が一番役に立ったな。武術でも役に立ったし。
午後の武術の鍛錬も基本的なことが多かった。体力強化から素振りや型の練習、模擬戦なんかをやった。最近では、少しずつ模擬戦の回数が増えていって、より実践的なことが学べているから身になるね。多分父上は手加減してくれてるだろうけど。
少なくとも同じ五歳児の中では強くなれてる方なんじゃないかと思ってる。まあ、五歳児で鍛錬してる子はあんまりいないだろうけど......
そんなこんなで半年は鍛錬の日々だった。
「父上。今日もよろしくね!!」
「おう。でも今日は鍛錬は中止だ」
「え? なんで?」
「そろそろカイルにも町に出て社会を知ってもらおうと思ってな。カイルに従者兼護衛をつけようと思う。それでな、今日はもう連れてきてるんだ」
「従者がつくの? やったーー!!」
「うちの兵士の中の有望株だから安心だ。じゃあ呼ぶからな! おい、入ってくれ!」
「「失礼しますっ!!!!」」
「一人目が、アレクだ。剣の腕は一級品だぞ」
「カイル様! 初めまして、アレクと申します!
未熟者ではありますが、宜しくお願いします!!!!!」
「初めまして。カイルです。アレクさん、よろしくお願いします!」
一人目は、アレクという青年だ。
赤髪で、人の良さそうな笑顔をしている。
◆
名前:アレク
性別:男
年齢:18
肩書:子爵家長男の従者
忠誠度:70
スキル:【剣豪】【気分屋】
武術
剣 術 S
格闘術 B
弓 術 E
槍 術 E
馬 術 A
魔法
火 E
水 E
土 E
風 E
光 E
闇 E
能力
統 率 S
武 勇 S
知 略 B
政 治 E
◆
まさに戦の申し子って感じだ。
Sが剣術、統率、武勇って、もう戦特化って感じしかしない。馬術もAだ。
戦になったら、絶対にアレクを大将にしよう!!
「そんなっっ!! さん付けなんていりません! アレクって呼んでください!!!!
あと、敬語もやめてください!!!!」
「えっ!! だって年上だーー「そんなの関係ないですっ!!!!!!」
...分かったよ。これからよろしく、アレク!」
ちょっと試してみたけど、こんなに才能を持っていて、こんないい人なのに断る理由がない。この人は今後僕にとって重要な人だ。
「アレクを気に入ったみたいだな。二人目はミゲルだ。槍の使い手だ」
「ミゲルと申します。宜しくお願い致します。
不肖ながらも、お仕えさせて頂きます。」
「よろしく! ミゲル」
二人目はミゲルだ。
黒髪黒眼で眼鏡をしていて、整った顔立ちをしている。
こいつ前世だったら絶対モテモテだ........
◆
名前:ミゲル
性別:男
年齢:18
肩書:子爵家長男の従者
忠誠度:60
スキル:【槍の使い手】【参謀】
武術
剣 術 E
格闘術 E
弓 術 E
槍 術 A
馬 術 A
魔法
火 E
水 E
土 E
風 A
光 E
闇 A
能力
統 率 A
武 勇 B
知 略 S
政 治 S
◆
なんか、負けてる気がする......
武術や魔法でSはないもののどちらもAレベルの才能があって、アレクより万能性に長けている。しかも、知略と政治がSだから、将来の参謀だね。これは。
「おや、私に対しては、さん付けで呼んでくれないのですか?」
「え、呼んでほしいの?」
「いえいえ。そのままで大丈夫ですよ。カイル様」
「なんだぁ」
「フフッ」
こいつ、うざい。なまじ賢いからって僕のことをいじって愉しんでるな? これは主人として調教…ゲフンゲフンッーー鍛え直さねば。
なんであれこの2人が従者としてついてくれるのはありがたい。今後とも仲良くしていきたいものだ。これで、外にも出れるしね。
◆◆◆◆◆◆◆◆
~スキル紹介~
【剣豪】
剣術の才能値がSとなる。相手が剣を扱う時、身体能力向上。
【気分屋】
このスキルの保持者の気分によって能力値が変化。
最大で能力値×1.5倍となる。
【槍の使い手】
槍術の才能値がB以上となる。
【参謀】
知略、政治の才能が大幅上昇。
ただ、スキル所持者の性格が捻じ曲がる危険性も秘めている。
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