【お知らせ】また佐野君にお願いしてみました
いつも通り、鳴る前に起こされてしまうことが多い目覚ましをかけて寝た翌朝、
「んんっ?」
なんか足が重い。これはもしや金縛りかと思ってバッと目を開いてみたら、何故か足の上にユマが乗っかっていた。
「えっ? ユマ?」
「オキター?」
「あ、ああ、うん……起きた……」
驚いた。いつもなら俺の上に乗っかってるのはタマなのに、今日はなんでユマが俺の足の上に乗っかっているのだろう。しかもタマのように容赦なくどんっと乗っかったかんじはなく、優しく乗られているみたいだ。タマもこういう乗り方だったら文句はないのになと思ってしまった。
「サノー、オキター」
ユマがそう言って、ゆっくりと俺から下りた。
あったかくて気持ちよかったんだけどな、と思ったらトトトトトッと音がして、タマが部屋に入ってきた。
「うわわっ、なんだなんだっ?」
タマは襖の向こうでドリフトするみたいな動きをしたのだ。うちのニワトリってなんなの、こわい。
そして俺の上にポトッと何かを落とした。
「えっ? なんだ?」
封筒のようである。
なんか前にもこんなことなかったか? と思いながら、タマとユマがいる中封筒の表を見た。
「なになに…………この中身を音読せよ? ってまたかっ?」
タマとユマを見やる。タマは睨むような目つきをしているが、ユマはくりくりとした目で俺を見ている。二羽共早く開けろと言わんばかりだったので、封を切って読むことにした。
「えーと……この度、佐野君とニワトリたちの様子が再び書籍化することになりました。続刊です。めでたいです。めでたいと言え」
もう意味がわからない。
「めでたい?」
言ってはみたもののやっぱりわからない。
「カドカワBOOKSさんから3月10日(金)に2巻が出版されます。イラストレーターは引き続きしの様です。丸っこくてかわいいニワトリのイラストは必見です」
イラストは見たいよなーと思う。うちのニワトリたちがどんなにかわいく描かれているんだろう。
「で? えーと……今回も書下ろしが入っています。佐野君とユマがブルーベリー狩りをする様子とか、きゅうりを収穫する様子とか、ヨモギに関する話とかって全部食べ物じゃないか」
ヨモギは食べ物のカテゴリじゃなかったっけ? ヨモギ餅うまいよな。でもヨモギってブルーベリーの時期じゃないよな?
「更に、ポチ、タマ、ユマのひよこの頃の話をまた書きました。みんなとってもかわいいので是非お迎えしてやってください? ひよこの時のとか俺も読みたいんだけど? またどこで買えるんだ?」
一巻の時といいなかなかに謎である。
一巻てどこに置いたっけか。
立ち上がってタマ、ユマと共に居間へ移動する。居間には一巻が転がっていた。そういえば居間の本棚に差してたっけ。
手紙には更に何か書かれていた。
「二巻が出ることもめでたいのに、それに加えてコミカライズもします。佐野君とニワトリたちがマンガになるよ」
そこまで読んでえええ? と思った。
「マンガ? マジで? 今日って4月1日じゃないよな?」
「ヨロシクー」
「ヨロシクー」
「ヨロシクー?」
「え? 何? なんでお前ら今回も理解してんのっ!?」
とりあえずよくわからないので、ニワトリたちの餌を用意することにした。一巻は後で読めばいいだろう。
なんとも不思議なことだが、ここでは何故か起こりうることだと思ってしまうのだった。
今日もタマとユマが卵を産んでくれてほくほくである。今日はこれで親子丼を作ろう。
「えー? 今回は私の回なんですかー? タツキ、どうしよう?」
その頃東の山では、桂木さんが手紙を読んで頬を上気させていた。ドラゴンさんは緩慢に桂木さんの方を見たが、すぐにまた元の位置に視線を戻した。
今日はまだのんびりするようである。
「あー、ナギさんの件かー。思い出すのも嫌だけど決着はついた方がいいよね。というわけで、今回はナギさんとの決着まで収録されまーす。タツキが狩りをしたとか、佐野さんが怪我をした部分は今回はカットですが、次もし続刊できればそちらに載るそうです。続刊してほしいねー! 佐野さんちのニワトリさんたちとってもかわいいしっ! どうぞよろしくお願いします!」
桂木さんはそう言って、ぺこりとかわいく頭を下げてくれました。
桂木さんもありがとうございました。
ーーーーー
というわけで2巻の発売日が決定しました。そしてコミカライズも決定しました。
2巻についてはアマゾンさんで予約が開始しています。
まだ未発表情報ありますので、続報もお待ちいただけると幸いです。今回も絶対に損はさせませんよっ!
のちほど近況ノートも書きますね。よろしくですー!
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