8人目❦̣⃛ 𝙷𝙸𝚁𝙾 𝕾⃝𝖑𝖚𝖒
2020年6月、HIROはSPOONを始めた
1人目のインタビューで紹介した紅丸さんと同じコミュニティにいた彼は数百人が同時に喋ることも可能なグループ通話アプリの世界でしのぎを削っていた。そしてそのコミュニティの中でspoonが面白いと言う話を聞いて始めた。
「大勢の前でタイミングよく面白いことを言う。それだけだと、難易度があやふやになるが、そこに数百人が同時に喋る権利を持つという条件が入ると、読者の皆様にも高い難易度が容易に想像できるだろう」
これは以前の紅丸さんのインタビューから抜粋した記事の一部だが。さらに詳細を聞くとやはり話し手は数十人いて、その中でも話上手はもちろんいる。それは大体30人くらいだったと言う。その中でトップを張り続ける。それに比べれば、主導権争いのない場所で面白いことを言うspoonは容易いものなのだろう。
しかし現実はそうは甘くなかった。
元々はくまひろと言う名前で始めた。名字と名前の一文字を取った名前で、昔からSNSで使っている名前である。ある程度名前が知れていたハンドルネームのため、2ちゃんねるなどでくまひろで検索すると昔のSNSからお宝記事が見つかるかもしれない。
当初の配信内容はイケカテ配信者だったと言う。
ちなみに初めての誕生日枠で、元カノ凸(配信上)の洗礼を受けて、アカウントを変えるキッカケとなった。
その時には既に元カノだったが、友人のようになっていたので、誕生日にディナーのお誘いが来た。しかし配信が楽しい時期で誕生日配信もあったので色々と忙しいと断った。
そして楽しい誕生日枠、そこに急にM(仮名)と言う名前の見慣れた名前のNEW DJが入ってきた。元カノと同じ名前の彼女は「楽しそうですね」と初見で誕生日の枠に来たとは思えない、冷たい文章だった。その瞬間くまひろは全てを理解した。その後実際の時間は3分程度だったかも知れない。彼の体感では10分くらいフリーズし、黙ってしまった。
その後早々に配信を終えるとLINEが来ていた。そこには全部バレてるんだよぉ!と言う罵倒。電話をかけてその後みっちり怒られたらしい。
それがきっかけで垢消しを行った。
元々くまひろという名前がアングラで有名になっていて、同時期に始めた盟友の紅丸氏からも、くまひろと言う名前は使わないほうがいいと言われていたが、大丈夫だろうと思い使っていた。結果見つかり、検索されるのでそのアカウントを消した。そしてHIROになった。
おそらく、くまひろの名前をあらゆる配信サイトでしらみつぶしに探されたのだろうと彼は言う。
ここで彼のルーツについて、辿っていこう
幼稚園の頃からひょうきんな子供で、その後もいわゆる陽キャであり続けた。クラスのアンケートや学年のアンケートでよくある面白い人、将来大物になりそうな人ランキングでは常に選ばれていたと言う。運動会などでも、早く走るより、面白くある事を考えてた。
中学の卒業式では、宝塚のような返事で笑いを取ったりもした。
目立っていたのと、当時学校で、「順番にいじめる」みたいなことが流行ったため、よくある無視などもされたけど、特に苦しくなかった。何故かと言うと、人間の付き合いに分け隔てが無かったからだという、通常の陽キャは、そのグループでつるむがそこにはあるHIROの性格があった。怖い人でも変な人でも普通に喋る。人を外見や目に見えるだけの情報に踊らされず、人と言う枠組みで人を見たい。その為にまずは話す。そこから嫌いになればいいと思ったので、無視されていても誰かしら話す人はいた。
嫌いになればと言ったが学生時代は人を嫌いになる事が1度もなかった。
逆に向こうから離れていくことはあったが、去るものは追わずの精神のため結果として顔の広いコミュ力お化けが出来上がった。
今も嫌いな人間は少ないという。基本的に人間が好きなんだそうだ。
印象的なエピソードを紹介しよう。中一の時に骨肉腫になって足が片方なくてグレてて、自暴自棄になっていた友達がいた。HIROは車椅子のそいつと椅子に座り喧嘩した。彼の親に「今からこいつと喧嘩をする。足は使わない」そう宣誓してから、喧嘩したと言う。彼の根底には物事にはフェアでありたいと思っている。だから人の差別や区別も無い。障害者健常者、マジメ不良というより、人間として見る。逆にその友人に可哀想と言う言葉を、かける周りに残酷さを感じていたという。
また一方では陰キャの文化と呼んでも差し支えない、2ch 歴が20年弱あり、スレッドを立てた事もある。※まとめスレに上がったこともあるという。(まとめスレとは盛り上がったスレッドがまとめられて厳選されたものを指す)今までしてきた行動で人の注目をあつめることだけではなくそれを文章で表現することに成功した。
SS(ショートストーリー)のマスオ「ええええっ2人目を授かったって言うのかい?」というサザエさんのオマージュ作品には模倣犯が数人出たほどである。
AV監督「次のシーンはレイプ魔が襲ってきますので」
この2作品は今でも名前検索すれば出てくる。
配信を始めたての時は準イケカテのような配信をしていたという。女の子に刺さる配信をコンセプトにやっていた。当時は決まったハートコメントもなく。とりあえず女子ウケするハーコメをその場で考えて、言っていた。
現在のハーコメは配信を初めてから1年くらい決まったハーコメは無かった。色々使っていたけどある日ハートコメントを募集して、リスナーが提案してくれたものがしっくり来て、今日に至る。
【ハートありがとう。俺の声で妊娠してけ】彼のダンディな声と相まって聞いている筆者としても、とてもしっくりと来るものだ。
さて、どうやって今の変幻自在な配信になったかと言うと、前述から何度か登場している紅丸さんがイケカテ枠に猛烈な反対を示したのがきっかけだと言う。昔の、いつも通りの配信をしてくれ
と訴え、下ネタやギャグなどやふざけることも言うようになった。リスナー自体は増えたが、純粋なイケカテを求めたリスナーがふるいにかけられていった事象でもあった。
筆者が変幻自在と言ったのは彼の凄いところである。時間帯や、やろうとした事で分けて配信内容を変えられる。筆者も一応配信者をやらせていただいているが、自分の中に複数のチャンネルを作る事は容易くても、他のチャンネルに引っ張られないで複数のチャンネルを分けて維持できるのは凄い事だと思う。
そのような複数のチャンネルをもつ配信に通うリスナーは困惑し、乗り越えられないものも出てくるが、結果残ったメンバーはタフになり、鍛えられた軍隊のようなリスナーが自然と出来ていく。
補足だが、彼の声はめちゃくちゃいい。ちゃんとリスナーの需要に合わせてひたすらカッコいい配信が聴けるダンディアカウントというものもあるので、そちらも女性諸君には注目してほしい。
例に挙げるとしたら初期のモーニングダンディという朝の運転配信。spoonの運転配信がダメになるまで続いたこの運転配信は、メインは運転であり、ながらで配信してたのでlightな受け答え、になってしまった。
逆にそれがさらりと朝を見送ってくれるライトな配信として、人気の時期もあった。筆者が枠に行ったのもその頃である。率直に言うと「あれ?みんなが面白いって言うほどか?」と思ったが、同じ日の夕方の仕事終わりに配信された枠に行った時、あまりの面白さに家で1人で引き笑いをした記憶がある。ゆえに筆者はHIROさんの配信を変幻自在と表現させていただいた。
筆者が1番好きかも知れない、雑談枠コンテンツにに【おとうさんと一緒】が挙げられる。これは古い付き合いの紅丸さんとのコンビ配信になるが、HIROさん曰く、おといしょ(おとうさんといっしょ。以下おといしょ)は、2人の会話に見せかけておいてみんなに関節的に振る。どう思う? など直接的には聞かないけど、気づいたら話が広がってるようにする。決して飽きさせないシステムを作ってる。2人にしか出来ないものだと自負してると彼は語る。
確かに、どう思う?などは聞かない時も、コメント欄では話題が広がっている時が多々あるなと感心させられた。
これはちょっとした裏話だが、おといしょ延長システムにも細部にまでエンタメを盛り込む2人の姿がある。紅丸さんの延長していい?と言う問いに、「仕事がある。何時から打ち合わせ」と言う時は、本当に無理なときで、
「えぇ〜いいよもう延長は」と言う時は、実はOKな阿吽の呼吸で成り立っている。更に同じ「えぇ〜いいよ延長は」でも本当にパフォーマンスがだれてる時のその言葉の時には付き合いの長さからそれに、気付き枠を閉じると言う。同じ言葉でも今後は、イントネーションや前後の会話のテンションで閉じるか延長するか予想するのも楽しいかも知れない。
Q配信していて良かったこと悪かったこと
自分が楽しいし、暇だから出来てる。ちょうどいい暇つぶしがたまたま皆様にウケただけ。よかった事は暇潰しができている。
悪かった事は、幼少期から変わらず、人を嫌いになることが無いので、無い。今でも根底には自分を殺しに来た殺し屋と肩を組んで酒を飲みたいタイプだから悪い事は生まれないという。強いて悪かったことといえば、時間が自由に使える仕事なので、仕事にならない事だと言う。まぁ8時間の勤務だとして、3時間程配信している事もあるのでそれも納得である。
そんなHIROさんの代表作として
他の追随を許さない寸劇が挙げられた。初めは2人でやり始めた。最初は分からない人には男女でやっているため、ただのいちゃつきに見られた。しかし、枠に来るリスナーが、それを面白いと思ってくれたから人数も増えたし、笑いとして成り立った。段々と無茶振りになっていき、なんかやってよ?→なんか?→じゃあタイムスリップでもするかの流れで2時間寸劇を一人でした事もある。
今では寸劇で遊ぶメンバーも増えて、それが彼の配信活動の主な一つでもある𝕾⃝𝖑𝖚𝖒である(後述)
彼の代表的な演目に、
【脳卒中で集中治療室だけど配信するよ】と演目
【歯医者にいるけど配信するよ】などがあるが、ほぼ残っているものはない。
彼の貴重な収録作品として酒893リレーの【飲んだくれ】こちらは必聴の作品であるとともに、実は開催日時がデート中だっただめ、オール収録での参加。そしてその日の相手といる状態で流していた。と言うこぼれ話もあった。想像するとかなりシュールな図である。
ちなみに彼のCAST(収録)を見るといくつかのこってて、これは彼が企画に参加したものだから残していると言う。
※ここで耳寄りな情報を紹介しよう。
現在、仕事の時間との兼ね合いでライブの企画は確約は出来ないが、収録の企画でいいなら結構出るという事だ。
𝕾⃝𝖑𝖚𝖒と言う自身もつけている界隈のイメージアップキャンペーン中で、企画に誘うなら今がチャンスだという。
𝕾⃝𝖑𝖚𝖒と言うのは厳密にはグループでは無いが傍から見るとまぁ、グループに見えてしまうだろう。その人達が、怖い、関わりたくない。絡みにくいと言うイメージが着いているので、払拭したいという。つまり1目置いているので誘いたいけど𝕾⃝𝖑𝖚𝖒怖いという企画配信者は今がチャンスである。
最後にこれからの理想を聞いてみた。
次の日に、話題になる配信がしたい。
「HIROさんの○○聞いた?」
「聞いてないどんなの?」
「めちゃくちゃ面白かったよ。」でも収録は無い。
しかし、どんなに凝った演目でも自身の配信でやった演目をCAST(収録)
には残さない。事前の宣伝もそこまでしない。たまたま聞いたところ、つまりLIVEでの一期一会を大切にして行きたいと彼は言う。
常に期待されたい。そしてその期待を毎回超える自信がある。最終的には配信が無い時でもワクワクさせる存在になれたら勝ちという。
つまり脳内侵略だ。空き時間にもHIROさんのことを思い出しクスリと笑うような存在になれたらと言う。
時にはかっこよく、時には面白く、そんなオールマイティを目指して、𝕾⃝𝖑𝖚𝖒の父と呼ばれる男は今日も変態おじさんの仮面を被る
SPOON配信者にインタビュー 暴れゴリラ @Abagori
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