第73話 デンマークに出張する男

今回はデンマークでの国際学会の話をしてみたいと思う。

オレはほぼ毎年、RHCSという医療安全の国際学会に出席している。


この学会は1年おきにデンマークと他の国との持ち回りで開催される。

過去にはオーストラリア、カナダ、そして日本が会場となった。


デンマークは北欧4国の1つだ。

人々は金髪で青い眼、そして背が高い。

だから、建物も内装も巨人仕様しよう


身長180センチ以上あるオレにとっては快適な環境だ。

天井も洗面台もトイレもちょうどいい高さにある。



学会はいつもミゼルファートという町で行われる。

首都コペンハーゲンから西に列車で約2時間の田舎だ。

道中の車窓からは海や森や数多くの風力発電機を見ることができる。


学会場はヒンツガルフスロットという水辺の古城だ。

そこに4日間、缶詰かんづめになって学問的議論が行われる。

時差ボケの中、英語での長時間の討論にはオレも疲労困憊ひろうこんぱいしてしまう。


そんな議論の合間に現地の病院見学が行われた。

北欧デザインの美しい内装の中、多くのスタッフが静かに働いている。

素晴らしく高度な医療が淡々と行われていた。


真面目に西洋医学を実践して達した境地なのだろう。

日本はあおぎ見られがちだが、実際はデンマークに学ぶべき点が沢山ある。



首都のコペンハーゲンには観光名所が多い。


まずは世界3大がっかりの1つとも揶揄やゆされる人魚姫の像。

等身大なのか、想像していたよりも小さなものだった。


次に高級食器で有名なロイヤル・コペンハーゲン本店。

店の一角では職人さんたちが皿に絵付けをしていた。

1枚1枚が手描きゆえ、値段が高いのも無理はない。


そして、どこまでもハッピーなレゴストア本店。

思わず自分が子供だった時のことを思い出す。


オレにとってデンマークは絵本に出てくる西洋の国そのものだった。

もしお伽話の世界にひたってみようと思うならデンマークは最高だと思う。

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