進むミチ

先「ごめんなさいね、いきなり呼び出して」

西「いえ、思い当たる節はいくつかあるので」

先「いくつかあるのね……もしかしたらそれも関係あるかもしれないわ」

西「不老不死の研究をした件なら既に学会に報告しました」

先「節ってそっちの不死?」

西「冗談です。不労所得の話ですよね?」

先「あなたが緊張しているのはわかったから、落ち着きなさい」

西「すみません」

先「いいのよ。西川さん、他の先生にはこんなことしないでしょう? それだけ先生のことを信頼してくれてるっていうことでしょう?」

西「……まあ、修学旅行のときの恩もありますし」

先「一年生の頃から難しい生徒だな~とは思ってたけど、ようやく西川さんと近づけた気がするわ」

西「結構明け透けに話しますね」

先「口に出して言わないと伝わらないからね。気持ちいい言葉はガンガン口に出すわ」

西「……何で私の周りの大人って変だけどいい人ばっかなんだろうな」

先「? 何か言った?」

西「いえ、特に。それより、本題はなんですか。呼び出すってことはそれなりに大事な用事だと思うんですけど」

先「そう、その話なんだけどね……」

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