桐の花が散ったとき④
神楽坂 麗にとって中城桐花は非常におもしろい友人だった。
常人とは異なる言葉の選び方、話し方、所作や佇まい、そのすべてに惹かれるものがあった。麗はいわゆる変な人が好きなのだ。
「麗はどうして私といるの? 普通に行けるのに」
「それはもちろん、桐花のことがだ~い好きだからさ!」
「よくわからないなぁ」
「桐花こそどうして馴染む気がないの? 折角のお顔が台無しだよ。もっと積極的に周りと絡んだ方がいいって」
「草食獣の群れに肉食獣、重々承知、ジュージュー焼けるのはステーキ、いぇあ」
「あはは! なにそれ!」
ひとしきり笑った後、麗は桐花の顔を覗き込むようにして言う。
「私たち、卒業してもいっしょにいようね」
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