B-35
―朝
チュンチュン…♪
(…また、スズメか…?)
ぼんやりする俺の視線…気付けば俺らはそのまま、眠ってしまっていたらしい…その真横には俺の大好きな紡がすやすやと俺にくっついて眠っていて…目元はぼんやりしながらも俺は紡の頭をやさしく撫でていた…。
俺も…覚悟を決めないといけない…それが…きっと、今日なんだ…。
そう思いながら紡を見つめていると…
「…んっっ…しぇんぱい…ほっぺ…ちゅんちゅんしな…い……すぅ…すぅ…」
なっ、なんだよ…!安心しすぎだろうよ…///覚悟を決めなきゃ!と思う俺になんなんですか?この可愛い小動物は?
でも…この、一つ一つの出来事が幸せなことに変わりはなくて、この幸せをこれからも壊したくない…。
今日、こいつに真実を話した時、俺の側から恋人として離れないでいて欲しいと俺は心から願っていたんだ…。
◇ ◇
―少しして
「…ふぁあぁっ!!!うーーーんっ!!!」
っと俺の真横で目を覚ます紡
「…紡?おはよ?」
「…先輩…おは…えっ?!」
「…?!」
「…せ、先輩!僕より先に起きてたの?!」
「…ははっ…なに、俺さ、朝弱いのバレてたの?」
「…そりゃぁ、ねぇ?///」
「…ふふふっ…お前には敵わんな!」
「…もう…先輩ったら…///」
俺…こいつにはほんと、自分の弱いところや苦手なところ、俺の全てをさらけ出してるんだな、とつくづく思ったんだ。
「…紡…?」
「うん?」
俺は、そっと紡のおしりに手を置き…
「…ここ、痛くないか?」
「…ぅうっ……ふぅっ…///」
「正直な紡は?」
「…ぶぅ…ちょっと、痛いよっ…///」
そうだよな、そりゃそうだよ…でも、お前と繋がる事が出来て幸せだったよ?
本当に…俺に勇気を与えてくれてありがとう…俺、もう…迷わないから…。
そのまま俺は、紡をギュッと抱きしめて…
「ありがとな、紡…」とその一言だけ…そっと告げたんだ…。
◇ ◇
朝食は宿屋の大広間で提供されることになっていて、俺らは旅立つ準備をしっかりしてから大広間に向かった。
大広間には、紗季ちゃんの姿もあって
「あ!2人とも、おはようございます!」
「さっちゃん!おはよっ!」
「紗季ちゃん、おはよう」
紗季ちゃんはニコッと微笑んでくれていて「朝ごはん出来てるので、ここの席で待っててくださいね?」と俺たちを席まで誘導してくれたんだ。
朝ごはんは和食。
卵焼きも付いていた。
卵焼きを口にする俺に「先輩?美味しい?」なんて聞いてくる紡。
「美味しいけど、お前のには勝たん」
その言葉にモジモジしながらもよっしゃー!みたいなポーズをする紡…大丈夫、お前の卵焼きに勝つ奴はいないさ…だってお前の家庭の味ってやつだからさ…///
俺たちは、その後も栄養満点な朝ごはんをしっかりと喉に通していったんだ。
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