B-11
礼拝も終わり俺たちは、社殿の石畳の階段に腰を一緒に下ろした。
「先輩っ?何お願いしたの?」とお決まりのようなセリフを話す紡に「何をお願いしたと思う?」と返すと「うーん…っ!」 と真面目に悩みだす紡も可愛くて…。
「ははっ!考えて当っても教えないよ?」
「えーっ!なんでぇー!?」
「お願いを人に教えたら叶わなくなるって言われてるだろ??」
「むーっ…そうだけどさぁ!」
「きっと、俺のお願い事は、お前と同じお願い事だと思うけどな…///」
「っ!…///」
これまた、お決まりのような展開だけど好きな人とずっと居たい、ずっと愛し合いたいと思う気持ちは恋をした人には、芽生えるはずだから…この展開もありなんだと俺は思ったんだ。
「紡?」
「…うんっ?///」
「お願いは教えられないけど…ずっと一緒にいような?」
「…せ、先輩っ!///も、もちろん…!ずっと…ずっと先輩の傍にいさせてほしいっ…///」
照れながら頑張って言葉を繋げていく紡の頭をいつも通りポンポンと撫でてあげ、
「そうだ…紡?ちょっと…目を閉じて?」
「…ふぇっ?!///」
戸惑いと恥ずかしさでいっぱいの紡に「いいから」とそっと目を閉じるように仕向ける。
俯きながら目を閉じる紡に対して、俺はそっとカバンからある物を取り出し、紡の首元でチェーンをしっかりと結び合わせた…。
「…紡?目、開けていいよ?」
「…んっ……っ!ね、ネックレス…?え…!?しかもこれ、先輩の…?!」
今日、俺がしていたネックレスをくれたんじゃないかと紡は勘違いしているようで…。
「ほら、これだろ?」と俺は、首元から自分がしているネックレスを紡に見せつけたんだ。
「ど、どういうっ…?!///」
「ペアネックレスだよ?ちょっと早いけど、俺からの誕生日プレゼントだ…///」
俺は、チェーンに1つリングがぶら下がったネックレスを紡にプレゼントしてあげたんだ。
ペアネックレスには昔から《その人の無事を祈ったり》《幸せを祈る》っていう意味があるらしい。
それと…2人だけの《特別なもの》として離れていてもこのネックレスを見て俺の事を思い出してくれたら嬉しいな…なんて、くさい事も俺は考えていた。
紡は、チェーンにぶら下がったリングをギュッと小さな手で握りしめながら
「せ、先輩…ほんとにありがとう…僕、大切にするから…///」
「ふふっ、紡、似合ってるよ??」
そう言いながらいつも通り、頭を撫でてやろうと思った瞬間…紡の両手が俺の頬に当てられて…紡の力があまりにも強すぎて俺は、バランスを崩し後ろに仰け反ってしまった…。
「つ、む…っ!!!///」
そのまま俺は…紡に唇をがっつり奪われたんだ…。
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