第36話(ここからアルファポリスでの話と展開が違います)
「まさか、本気で言ってはおりませんでしょうな?」
神官長が本気で問い掛けます。
これは答えを間違うと、王家が教会から見放されるでしょう。
そして、期待通りの返答をしてくださいました。
「本気に決まっている!フローラは俺の子を生んでくれたんだ!正妃に迎えるに
神官長が大袈裟なほど首を横に振り、大きな溜め息を吐き出しました。
「まさか貴族で知らない者がいるとは……」
馬鹿にされた事に気付いたのでしょう。
王太子が何か叫ぼうと息を吸い込みましたが、何かを言う前に神官長は
そして私の方へと歩み寄り、表情が確認出来る距離で
「王太子殿下、来賓の皆様へご挨拶をお願いします」
この状況で、この空気の中、宰相であるお父様はパーティーを続行する事に決めたようです。
そして王家の侍従を呼び、椅子を一脚下げさせました。
フローラには座らせないという意思表示でしよう。
王太子が何を言うかと会場内の皆が注目しています。
「私の卒業と同時に、フローラを正妃として迎えている!そのフローラが男児を生んだんだ!後継ぎでなく何だと言うんだ!祝え!王太子として命じる!王家の慶事だぞ!」
あらあら、とうとう命令してしまいましたわ。
「王太子殿下にお聞きいたします。フローラ様は卒業なされておりますか?」
この会場に入ってから、初めて王太子が私を見ました。
「卒業はしていない……していないが、子供を産んでから戻る事も出来るだろうが!結婚してから生まれた子供は、後継ぎにできると法律に書かれている!」
まぁ、そこまでは勉強されていたのに、肝心な部分は教わってないのかしら?
そのような事はありえませんわね。
「先程、神官長が仰っていらっしゃいましたように婚姻は認められておりません。なぜなら、王家に嫁ぐ者は学園を卒業している事が最低条件だからです」
王太子とフローラだけでなく、王と王妃も驚いた顔をしております。
「そして、婚姻前に生まれた子供は、残念ながら私生児ですわね。そして、出産歴のある女性は王家に嫁ぐ事は出来ません。たとえ側妃でもです」
皆様、顔色が悪いですわね。
本当に最高に素敵な方々ですわ。
「先程、神官長の宣言の意味を御理解いただけましたかしら?」
教会は、フローラとの婚姻を『未来永劫認める事は無い』と言っておりましたのよ。
「さぁ、フローラ様。その場所を
王太子がフローラを守るように立ちはだかります。
その王太子の耳元で囁きました。
「貴方も一緒に行かれますか?王族から除籍され、平民になりますけれどね」
あらあらまあ。フローラの前から退いてしまいましたわ。
その程度の覚悟でしたのね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます