第87話新婚生活2

僕があんまりにも葵の上を「好き好き、大好き」と言ってるからか、兵部卿の宮あたりの親王達が「父帝にそっくりだ」とか「一人の女人に入れ込むのは如何なものか」とか悪意ある言い回しをする。

浮気者よりも愛妻家の方が良くない?

どうも浮気者の男とは合わないし、理解できない。なので、皆と仲良くO・HA・NA・SIをしておいた。話し合いって大事だよね。誠意が伝わったのか、親王達は床から離れられなくなった。これはお見舞いが必要だよね!

なので、お見舞いの「蜂蜜」を惟光にお願いして送ってもらった。だから、きっと喜んでくれるはず!

惟光が「ああ、東宮様に……」とかなんとか白い顔でボソボソ言っていたけど、どうしたんだろう?最近、ぶつくさいうのが多いんだよな……。僕のお見舞い品はちゃんと届いたようで、話し合いをした親王達の邸宅からが飛び去ったと都中で噂になっていた。何かの呪いとかなんとか。それ以降、親王達は顔を覆い隠すようにをかぶってる。熱くないのかな、あれ?


頭巾姿の親王達は『呪われた皇子たち』と巷で有名になった。なかには奥さんに離縁されて屋敷を追い出されたって人もいたけど、し~~らない!顔に呪いをかけられたからだ、って専らの噂だ。捨てた女にかけられた呪いだと言われている。僕が惟光にお願いして流した噂もあったけどそれ以上に酷い噂も横行してたよ!やっぱり日頃の行いって大事だよね!


口は禍の元。

これに懲りて大人しくしてくれるだろう。


しっかし、僕のどこが桐壺帝に似てるって?僕はちゃんと仕事してるよ! 一緒にすんな!全く失礼な!しかもだよ、彼奴ら葵の上が桐壷更衣と同じ「楊貴妃のごとく」とかなんとか言ってたんだ。明らかに僕に喧嘩売ってるよね。思い出したらムカムカしてきた。主犯の兵部卿の宮には更に追加のプレゼントを考え中だ。後で惟光にお願しないと。



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