第52話兄上と御対面


これから兄上様と初対面です。

因みに、兄上の母、弘徽殿女御も一緒です!


何しろ父を脅…げふん。お願いしてセッティングしてもらたのだ!

ああ~疲れたよ。


「パパお願い(ハート)」


手もみしながら父親に媚びを売るのも楽じゃない。

普通のお願いしても全く効果がなかったから、女装してお願いしてみたら一発OKだった。

なんでだよ!

「女童の姿なら大丈夫です」と言った大弐乳母、おそるべし!


桐壺帝と弘徽殿女御は別室にいて、後で僕と兄の局にくることになってる。

そう、今は兄弟二人っきり(周りに女房はいるけど)。


兄上は、なんというか、顔立ちはパパ似?かな(弘徽殿女御はまだ見てない)。

女の趣味まで似ていないといいけど・・・

あ、でもたしか兄上の好きな女性は右大臣の六の君の「朧月夜の君」だっけ。

これまたやっかいな女だよ!

自由奔放な小悪魔的美女!

妃候補だったのに光源氏と関係もってそのせいで、尚侍として入内。

朱雀帝(未来の兄上)の寵愛を一身に受けてるのに、光源氏ともまだ関係を続けた浮気女。

しかもその関係がバレて光源氏は島流しだよ。


でも、朱雀帝はそんな「朧月夜の君」を許して、今まで通り寵愛するんだよね。

良い人だ。

聖人かな?

原作でも数少ない常識人だった。

でも女運がめちゃめちゃ悪い。

光源氏が良い女を取っちゃっていくんだよな。

しかも大切にしないときた。

葵の上しかり(本来なら中宮になってもおかしくない正妻)。

朧月夜の君しかり(本当なら女御として入内していた。しかも結婚断ってる)。


もしかして原作の光源氏って、身分の高い女性が嫌いなのかな?

ことごとく不幸にしていってるよね?

六条の御息所とか、女三の宮とか。

寧ろ、身分が低い女性の方がそこそこ大事にする傾向が合るような……僕の偏見かな?


「初めまして、二の宮」


あ、兄上の顔を見ながら、原作を思い出していたら、挨拶し忘れていた!

はずかしすぎる~。


「は、はじめまして、あにゅうえ!」


咬んだ!

はずかし~。

これから色々とお世話になるっていうのに!

第一印象は大事だから、きちんと挨拶したかったのに…初っ端から挫いた。

僕の顔は真っ赤だ。

自分でも分かる。

だって体温が上昇している感じがするんだもん。

そんな僕を呆れることなく微笑えんでくれる兄上は良い人だ。



「今日は、ゆっくりしていけるのですか?私も二の宮といろんな話をしたいと以前から思っていたのですよ」


「ほぇ」


「妹宮はいますが、弟宮は二の宮ただ一人ですからね」


「う////」


「二の宮は皆が噂していた通り、とても美しい御子だね。私も光と呼んでもいいかな?」


「はい////」




どうしよ。

パパ上に似た顔なのに、表情が違うだけでまったく似ていないように感じる。

むしろあのニートロリコンのパパ上と似ているなんて兄上に対する侮辱だよ!


僕と三歳しか離れていないのに、この落ち着き。

しかも言葉遣いだけでなく所作が美しい!

この滲み出るような気品はマネできない!

穏やかな微笑みが癒される~~~~。

これぞ、本物の皇族だ!日本皇族だ!


普段、カルト集団の局に詣でているせいか兄上のいる局は清浄に包まれているきがするよ。

マイナスイオンだしてるよね?


僕はパパ上と弘徽殿女御がくるまで喋り続けていた。


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