第91話サハリン




久し振りに明智光秀より連絡が入った。

北海道の上のサハリン開発基地からの連絡だった。


向こうの冬は寒いとぼやいていた。



俺が教えた所から天然ガスが出た知らせだった。

天然ガスは、石油や石炭に比べると燃焼させた時に、大気汚染物質や温室効果ガスの排出が少ない。

そんなメリットがある天然ガスは、俺にはありがたい。


それに心配したロシアは、木下藤吉郎の情報を聞いて納得してしまった。

この時代には、ロシア帝国はまだ存在していないらしい。

その代わりにモスクワ大公国の大公イヴァン4世がいるらしい。

そして、大公イヴァン4世はイヴァン雷帝と呼ばれている。

なんやその中2の名は・・・


あの大国のような国には、まだなっていなかった。

それを聞いて助かったと思った。


しかしあの国らしく、近隣に戦争を仕掛けて、領土を増やつつあった。


そして大貴族を排除はいじょして官僚による政治を試みた。

強引な政治を行い、反対する者は大規模な粛清しゅくせいもいとわなかった。


まさに恐怖政治を行い、恐怖によって貴族や領民を支配していた。




今は、日本国内の地方大名から水力発電所と火力発電所の建設要請が多いのだ。

いつ建設が始まるのか、どの位の規模なのだと使者の訪問も多い。


水を溜めて、雨が降らない時の備えにもなるダムは人気だ。


水力・火力発電所がないと電車を通すことが出来ない。

そして俺の領地を視察して、発展振りに驚きながらどうすればいいか考え帰った。


電車を通すには、どうしても発電所が必要だ。

電気があれば、夜中でも色々な作業を行なうことができる。


工場を稼動かどうさせるのも、蒸気を使って回す動力より、電気モーターの方が使い勝手がいい。


発電所の案件を通そうと、賄賂わいろが飛び交っているが、内の家臣は見向きもしない。

そうなるように教育をしているからだ。




今度は天然ガスを使った火力発電所の建設を考えた。


その為にも、天然ガス専用のタンカーが必要。




天然ガス自体には、色々な不純物が混合している場合が多い。

その為に、その不純物を取り除く必要もある。

そのまま使えば、ガス設備の腐食ふしょくや火力低下をまねくからだ。

その除去がまたややこしい。


まあ石油の原油でつちかった方法で、なんとかなるだろう。




そして、採掘した天然ガス(気体)を-162℃まで冷やして液化にする必要がある。

気体の天然ガスを液化することで体積が600分の1になる為、大量輸送が可能になるからだ。



そして天然ガス専用のタンカーは、熱を防ぐために断熱材でおおう必要がある。

タンカーは球体3つ載せた形だ。球体なら圧力に耐えやすいからだと思う。しらんけど。

それに受入基地も必要だ。



受入基地は、特別なパイプを通ってタンクへ移される。

-162℃のまま超低温で液化のまま貯蔵さる。


気化させるのは簡単だ。

海から海水を使って気化させる。温度差が180℃もあるのだ。

あっという間に気化するだろう。


その気化したガスを貯めるのも、球体のタンクが必要だ。



火力発電所も近場に建設して、パイプで送ればいいかな・・・


いっそうのこと、家庭や工場に提供ていきょうしてもいいだろう。

まきの消費が減るかもしれないが、森林保存が出来ていい。


それなら、紀伊と伊勢で実験的にやってみよう。


「誰か居ないか?」


「はは、何用で御座いますか?」


「開発部と建設部を呼んでくれ」


「かしこまりました」





「問題点もあるだろうが頑張ってくれ」


「反対意見もないようなので、これで終わりとします。出来るだけの事はさせてもらいます。それでは失礼します」


集まった面々は、深刻そうに立上がって去っていった。

俺の丸投げに、またも無茶苦茶むちゃくちゃだと思いながら引き受けた。



またも静香が現れた。

その静香の手には、坊の手が握られていた。

その手を振り切って「父上」と大声で言いながら抱きついてきた。


ああ。抱きつく力が強くなっている。

抱き上げると更に重たくなった。成長したことを実感してしまった。


それを見ながら静香は、笑っていた。



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