第69話 唯物論的事実の出処
いろいろ事情があって、高校時代と言われる期間は、政治的には左側と呼ばれる人たちとの付合いがありました。そういうこともあって、彼(彼女)らの思考過程や言動といったものも、肌身でわかるようになりましてね。そのことについて、少し。
どういう仮定でどの団体ととか、そういうことについては明かしません。
実父の同級生で親友だった方で、共産党の市議会議員をされていた方がおられまして、その方には、大変お世話になりました。そういう引合いがあったおかげもあり、実母とも再会できたという話もありますからね。
それはともあれ、左翼と呼ばれるその筋の人たちの問題点ばかりじゃなく、良い面もしっかり観ることができたのは、いい財産になったと思っております。
といいつつ、悪い方面を指摘するみたいで申し訳ないけど、参る。
まず、この筋というのはやたらに人と群れる、人の領域に土足で入り込んでくるような者が多いな、という印象。道理で、「同志」なんて言葉がはびこるわけだ。
そして彼らは、一見論理的で科学的な思考をしているようにも思えるし、見える。
だが実態は、それはあくまでも表面上のものでしかない者がほとんど。
で、きれいごとを言うわ、言うわ。
実現可能性もなければ、気休めにもならんことばかり。
科学的社会主義などという言葉の実態は、「情緒的社会主義ごっこ」やな。
で、彼らは人の感情とか何とかを無視する(ふりをする)。
だからこそ、観念論の対極の「唯物論」に走るわけや。
まあ、能書屋がそういう言葉を使うから、何とかのひとつ覚え状態で使っているに過ぎないのだけどね。
とはいえ、この「唯物論」という言葉、使い出がないわけでもないよ。
ってことで、この物語にも取込んでみた次第。
実際この言葉を使って、その筋のおじさんをやっつけたことあるもんね。
爺様といってジジイとは何だと言われたから、
「唯物論的に正しい」と申し上げたのよね(わっはっは)。
でも、当時のその爺様(当社比)と同じくらいの年齢になったわしがいまさら言うのは、ちょっと、やっぱり、な(苦笑)。
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