第8話

「えっ、これ子供泣かなかったの?」

「ジェットコースターはお子様を泣かせるものです」

「怖い事言わないでよ、それに、このパンダ本当に

遊園地用に作られたの?」

モーブにまずは子供向けのジェットコースターに案内してもらったのだが、

何人もの子供のトラウマを作ってそうなパンダの乗り物だった。

これは怖くするために作られたのだ、と言われてもうなずける。

「試しに乗ってみるわ」

「はい、動かしになられますか?」

「一回乗るだけよ、動かすのはまたあとで」

こんなに過去の自分に感謝したことはない、これが動かされていたら、

私の命は危うい。

シートベルトが今にも取れそうだ。

「このジェットコースタは、動かさないで大丈夫よ」

「そうでございますか」

「本格的な方に案内してくれるかしら」

「はい」

いざ、見て見ると悪い意味で期待を裏切らなかった。

子供向けの方がましくらいだ。

さっきのシートベルトは取れそうで終わったが、

今度は実際に取れた。

「シートベルトは気にせず」

「これ、気になるわよ」

「るみか様はシートベルトに

こだわりをお持ちなんですね」

「こだわりなくても気になるよ、だって取れたよ」

「大丈夫です。シートベルトなくても死にはしません」

「いや、私はすると思う」

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