第241話:魔霊鬼の核の性質
高位が射出した剣は既に半数以上の岩柱を
全て粉砕してしまえば、次の標的はロージェグレダムだ。
「残念じゃが
岩柱は不規則に乱舞している。剣は
実はそうではないのだ。不規則の中の規則性、それを
岩柱を並べて比較すれば一目瞭然だ。
相手は
結果としてどうなるか。視覚に錯覚が生じる。
空を
「この程度を見抜けぬとはの。
五十近い鋭利な岩柱が直撃、全ての剣を撃ち出してしまった身体を
いくら炎と熱への耐性が強いとはいえ、全身
粘性液体の身体を完璧に気化させることは不可能だ。だからこそ、ロージェグレダムは遊びの最終段階に移行する。すなわち最後の岩柱群を用いる。
一方で縫い留められながらも叫声を上げ、激しくもがく
「
今度は射出ではない。真逆だ。全ての円錐岩柱が大地に沈み込んでいく。これでロージェグレダムを護るものは何もなくなった。五重の岩柱は全て解き放たれた。
発動と同時、右手に握った
「終わりじゃな」
無数の剣がかえって
「何が起こった。一本の剣すら届かなかったというのか」
「まずは一つ目と行こうか」
大気の次は大地だ。
目で追えないほどの超高速をもって
甲高い破砕音が響き渡る。高位の身体が前のめりに大きくぐらつく。
決して倒れない。
「なぜだ。なぜ必殺の奥義で倒せぬ」
ロージェグレダムと
剣を創り出す際、
二度と再生できなくするには、すなわち
(手っ取り早く済ませたいところじゃが、大師父様からの厳命じゃ)
ロージェグレダムとルブルコスの二人がわざわざ単独行動で高度三千メルク地点まで上ってきたのには、れっきとした理由がある。
一つは必ずや待ち構えているであろう
もう一人の剣匠たるヨセミナには別の重要な任務が与えられている。それも後ほどすぐに分かるだろう。
≪よもや、できぬとは言わないであろうな。貴様のことだ。
さすがによく分かっている。何百年もの歳月を共に過ごしてきたのだ。呪いの
ロージェグレダムをもってしても、自分勝手で好き放題に行動する
何度も対立し、互いに激闘を繰り広げたことさえある。それらを
「
再びの大地の震動、岩柱が
音は一切ない。
「お主、
≪まさか余に問うておるのではあるまいな。貴様こそ、しかと
当然、ロージェグレダムにも
良質の魔力たる核を幾つ食わせるべきか。そして、その中の一つにロージェグレダムが求めるものも
「七つじゃ。儂にはかの者が封じられた核がいずれか分からぬ。
落胆するロージェグレダムを見るのは久方ぶりになる。
主物質界において三剣匠、三賢者は
無論、剣匠ともなれば
剣匠のロージェグレダムでさえ、気に留めている者の魔気がどの核に封じられているか見抜けない。恐らく三賢者であろうと正確に見抜くのは難しいだろう。
≪余に頼らぬか。あ奴の魔気は余が戦ったが
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