第240話:餓双牙棘剣殺襲の謎
ロージェグレダムを中心にして、
空を
周囲の
百余の灼熱岩柱をまともに食らった
それで終わったわけではない。互いにとって、という意味だ。
穿たれ、高熱で
「ふむ、やはり一瞬か。再生能力だけは大したものじゃな」
≪遊んでおる場合か。向こうが先に終わるではないか。遅れを取ってどうするのだ≫
「問題ない。ルブルコスも遊んでおるところじゃからな」
だからこそ、ロージェグレダムは遊びと言っているのだ。
「とはいえ、あ奴もえげつないものよ。
≪余に言わせれば、貴様が甘すぎるのだ。あの二人を見よ。
実力
その中にあって、最年長たるロージェグレダムは歳を重ねるとともに丸くなっていった。義理人情に厚く、敵にさえその理由
「それが儂の生き方じゃよ。変えるつもりもないでな。さて、奴の準備も整ったようじゃ。第二段階といこうか」
再生を完璧に終えた
「よい攻撃であったわ。だが、致命の一手とはならなかったな」
異様な構えだった。明らかに剣技における型ではない。右手に持つ剣の剣身は不透明の濁った刃から
「あの構え、繰り出した技からしてそうであろうと思っていた。無念であろう」
すぐに応答のある
「
四重となった再外側だ。またも円錐岩柱が射出された。今度は四方からの攻撃ではない。上空めがけて高く撃ち出されたのだ。はるか頭上まで到達、およそ百の岩柱がそこで方向転換、全ての先端部分を
空に浮かぶ岩柱は三列横長の隊形を組み、合図を待っている。
「さあ、踊ってみせよ」
「全て受けてやろうぞ。来るがよい」
ロージェグレダムもこの程度の攻撃ごときで、
三列の内の真ん中、並列の岩柱が中心部から順次横に広がりながら放たれていく。その様子を確認、
出血は一切ない。さらには切っ先が背を突き破ることもない。遂には
「やはりな」
ロージェグレダムの
先ほどと同様、熱を帯びた岩柱が
「食ったな、かの者を」
土煙が雪氷嵐に流され、僅かばかり視界が戻ってくる。射出された岩柱のことごとくが
ロージェグレダムの声には静かな怒りが
「その技、
またも
ラ=ファンデアのような極めて特殊な
ロージェグレダムはなおざりに
宙に浮かぶ残り全ての岩柱がロージェグレダムの静かな怒りに呼応する。白煙を生じ、そして熱を
「簡単には
昔のロージェグレダムに戻ったかのようだ。彼こそ三剣匠にあって最も
当時、ロージェグレダムの前に立つことはすなわち死を意味していた。敵味方問わず、誰もが恐怖したという存在なのだ。
残り全ての岩柱が炎熱の尾を引きながら
凄まじい衝撃が
「同じか。やはり炎と熱への耐性が高いようじゃな。ならば、これならどうじゃ」
円錐岩柱の攻撃はまだ三重も残されている。ロージェグレダムが第三段階の攻撃に入る。
「
最内を除く、およそ二百の岩柱が瞬時に放たれた。四方八方、不規則に乱れ飛ぶ。
「その程度か。つくづく甘く見られたものだ」
「こちらも見せよう。
圧縮された身体が一気に膨張、突き出した無数の剣が対空砲火とばかりに迎撃に入った。炎熱の岩柱とそれを
さすがに核一つを犠牲にして創り上げた剣だ。その硬度は
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