第239話:互いの奥義の激突
身体の
およそ四メルクあった横幅が通常の人と変わらない程度、すなわち四十セルクまで
「これを見せるのはお前で二人目だ。もはや出し惜しみはするまい」
面白いものを見たとばかりにロージェグレダムは笑いだす。さすが
「いささか頭は悪そうじゃ。それでよいのか。いや、よくないと思うのじゃが」
しかも、こちらの言葉を聞いていなかったのだろうか。見せたのは二人目、そのうえで自分はここに立っている。一人目がどうなったかは自明の理だ。
「何を自問自答している。お前の命運はここに尽きたのだぞ」
ロージェグレダムは剣身の消えた
「その方、
≪このような
「吸収し尽くしたようじゃな。相変わらずの早さよの」
これこそが滅するもう一つの目的だ。先ほど気化させた
魔霊鬼の魔気は
≪
食うかどうかはさておき、不味いという点に関しては全く同感だ。
「お主、良質の魔力と言うが、ここにそのようなものはないぞ」
それらは容易に手に入るものではない。そして、ここには
≪あるではないか。貴様の眼前にこそな。よもや
確かに、ロージェグレダムと
ロージェグレダムは決断した。
「儂を誰だと思うておる。当然視えておるわ。やれるのであろうな」
今度は
≪貴様こそ余を誰だと思っておる。余こそ、威風堂々たる主様の寵愛を受けし
最後まで言わせない。
≪こら、
文句を垂れてくる
「
「面白い。いずれも必殺、撃てば必ず死に至る。どちらが優れているか、試してみようではないか」
今や粘性液体は剣で斬れないほどに圧縮され、それ自体が
さらに核の周囲を魔気と邪気を混合した魔邪層をもって
その様子はロージェグレダムも
互いに手の内は隠さない。一撃必殺の奥義の撃ち合いでは、隠す意味もないからだ。
だからこそ、ロージェグレダムも見せる。
上段に構えた
揺れはさらに大きくなり、岩盤が
高さはおよそ一メルク、円の直径はおよそ三十セルク、それが五重になってロージェグレダムの周囲に展開されていく。
≪余の最も得意とする奥義を使うとは。貴様、本気だな。よかろう、その想いに応えようではないか≫
隆起した土砂が
「儂が
次第に剣身が
何よりも、ロージェグレダムが大地にその脚をつけている以上、無敵と言っても過言ではない。
「それがお前の奥義か。剣匠の名は
何をしているかも分かっている。かつて相対した
その右手には一振りの剣が握られていた。
「待たせたな。一つの核を犠牲にして創り上げたこの剣で
強者であればあるほど、攻撃の絶好の機会であろうと待つことを選ぶ。
人の行動は全く理解できない。無論、理解しようなどとも思わない。なぜなら、
≪片腹痛いわ。核一つ犠牲にした程度の剣で余に勝てると思っているとはな。どのように滅してくれようか≫
要因は力量を見誤り、たかが核一つで創り上げた剣をもって勝負に挑んできた
「そう興奮するでないわ。あの程度なら致し方なしよの。滅する前に、少々遊んでみようではないか」
さらに明滅速度が大きくなる。それは無言の抗議か。
ロージェグレダムは意にも介さず、上段に置いた
「
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