とある少女の夢
るしあん @猫部
第1話 とある少女の夢
大好きなお兄ちゃんに恋人が出来たかも知れない !
その夜 お兄ちゃんが 取られたような気がして、ぼくは 泣きながら寝てしまった。
夢を見た。
ぼくは 小さな猫だった。
寂しくて 悲しくて お腹が空いて 泣いていた。
中学生位の 女の子達が ぼくを見付けてくれた。
みんなで 心配してくれて ご飯を 食べさせてくれた。
だけど 飼えないらしく 一生懸命 飼ってくれる人を探してくれた。
何軒か 回る内に ある料理屋さんに きていた。
そこの 女将さんらしき人が 出て来て 目を輝かせて、
「 まぁ 可愛い だけど私は飼えないのよ……… ちょっと まってね 」
と 言いながら 中に 入っていった。
少しして 中から 女将さんと 優しそうなおじさんがで出来た。
最初 おじさんは 渋っていたけど 女将さんが いろいろ手助けしてくれる事で ぼくを飼ってくれる事になった。
おじさんは 前に可愛がっていた猫の名前が『とら』
だから お前の名前は『さくら』だよ といった。
ぼくには 解る
この おじさんは お兄ちゃんだ !
姿は 違うけど お兄ちゃんだ !
それから お兄ちゃんとの暮らしが 始まった。
あまり ご飯を食べないぼくに 鶏のささ身を茹でてくれた。 とても おいしかった。
汚れていた、 ぼくを 暖かい蒸しタオルで 拭いてくれた。
ぼくの 頭を 優しくなでてくれた。
ぼくが トイレを 覚えた時は 誉めてくれた。
ぼくを 優しく 抱き締めてくれた。
ぼくと 一緒に寝てくれた。
ぼくは お兄ちゃんが 大好きになっていた。
ぼくは よくイタズラをした。
ティッシュboxの ティッシュを全部 引っ張りだしたり、
お兄ちゃんの 靴下を タンスの上に隠したり、
棚に 置いて有るものを 片っ端から落としたり、
お兄ちゃんが ゲームをしてる時 リセットボタンを押したり、
畳んでいる洗濯物に 突撃したり、
テレビを 見ている時 テレビの前に座り 見るのを邪魔したり、
そんなことを しても『しょうがないなぁ』と笑っていた。
冬
お兄ちゃんが 仕事に 行くためお布団を出る時、わざと ぼくの為に 空間を つくってくれる。
お兄ちゃんが 出掛けた後 ぼくは お兄ちゃんのお布団にはいる。
お兄ちゃんの 匂い と 温もりを感じぼくは 安心して眠った。
お兄ちゃんは 独身だ
ぼくが 人間だったら お兄ちゃんの お嫁さんになるのになぁ。
そんなことを 思っていたら 目が覚めた。
あれは ぼくの前世だ。
ぼくにも お兄ちゃんとの 『繋がり』『縁』が有ったんだ。
ぼくは 嬉しくて 嬉しくて仕方がなかった。
ぼくが お兄ちゃんの『匂い』が好きなのは前世のせいだね。
大好きだよ お兄ちゃん。
「さくら~、恭介きょうすけくんが心配して来てくれたわよぉ~ !」
「は~い、直ぐに行くから待っていてねぇー !」
やっぱり、お兄ちゃんは優しいなぁ~ 猫時代と同じく軽く髪をとかして、おめかしする。 猫時代と同じく、僕は お兄ちゃんに突撃した !
「お帰りなさい 、 お兄ちゃん ! 」
猫時代と同じく、お兄ちゃんは僕の頭をナデナデしてくれた。
「 エヘヘヘヘッ、お兄ちゃん 大好き !」
※ このお話は事実を元に書いた
私が最初に、書いた物語
『 茨城くん と 恋する乙女たち』
から、
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