『一体何が起こったのか、女性には理解が追いつかなかった。』本文から一部抜粋
自分にも何が起こったのか、理解が追いつかなかった……。いや、理解を拒んだ? とにかく我々の常識の範疇を次元レベルで超越している奇作怪作でした。
古今東西、ゴキブリがテーマにある作品というのは案外少数派ですが、ほとんどがゴキブリを敵としている物ばかり。そっちの方が話を作りやすいですし、当然と言えばそうですが。
でもこの作品は違います。ゴキブリが忌み嫌われる存在であることを残しながら、そのゴキブリを愛する者、理解を示す者が主な登場人物なのですから。
ゴキブリを昆虫というグループで好き好むのではなく、ゴキブリそのものを愛する奇人たち。いやぁ、某も昔は昆虫大好きな人間でしたが、今では理解に苦しみますね(褒め言葉)
狂気狂気、狂気の物語です。全体として見ればオムニバス形式なので、どの話から読んでも問題はありません。むしろ全部繋がってたら怖いですわ。
自分は二話が一番お気に入りです。これが恐らくこの世の狂気を煮詰めた物語。真なる愛の話とするか、歪んだ愛の話と捉えるかはあなた次第…………ってコト!?