キャラクター語り(15)オメット

 翻訳者だって「ひとりの読者」としてネタバレ感想書きたい!

 そんな主旨で、好き勝手に語ります。


 ここからは、各章の「登場人物紹介」ページの順番にならって、私が思ったことを書いていきます。



▼オメット

オルレアンの会計士ジャック・ブーシェの娘。

ジャンヌの宿泊先に選ばれたことをきっかけに、親交を深める。

ジャンヌが唯一、同年代の少女らしく振る舞うことができる相手。

貞淑で清らかな乙女。エティエンヌに恋をしている。



(アルファポリス版「登場人物紹介・第六章」でイメージイラスト掲載:https://www.alphapolis.co.jp/novel/394554938/191633648/episode/5797966)




ジャンヌと女子会しているエピソードが可愛くてお気に入りです。

マリー・ダンジュー&アニエス・ソレルに続く良質な百合カプ……、シスターフッド的な二人組が好きなのかも。


高貴な人たちの美しさも、庶民の女の子たちの可愛らしさも、主従たちの規律や忠誠心も(←誰のこと?w)それぞれいい。


オメットのイメージイラストは「素朴で可愛らしいモブ顔の少女」を目指しました。地味だけどよく見ると可愛い感じ。


最終章、火刑直前のジャンヌに会いに来た場面……。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860705649120/episodes/16817139554670774775


頭に何も覆っていない、風に吹かれるまま髪がなびいている——ジャンヌ以上に儚い雰囲気を漂わせたオメットが印象に残っています。逆説的に、オルレアンにいたときのオメットは、結い上げた髪を頭巾で隠しているマジメ一辺倒な女の子だったのではないかと。


普段、髪をまとめている人が、クライマックスで髪を下ろしてなびかせている姿はビジュアル的にも映えますね。

あと、ジャンヌの遺灰が、水辺で横たわるオメットの亡骸を包んでいる場面も……。


どうして死んでしまったのか、理屈はさておき。

オメットも、エティエンヌやジャンヌと同じく「市井の殉教者」のひとりだったのでしょう。彼らの死は、見るものの心を浄化するような悲しさがあります。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る