第34話・新たな英雄イト
「勝った~~~、いやまじ強かった。魔人のアホがあの魔法に全魔力つぎ込んでなかったらかなりの高確率で死んでたな、いや本当に危なかった。やっぱりソロは危ないかもな、今度仲間でも作るか?いや、闇助呼べばいっか。後は他に眷族作るとか?まあ、それはさておきお楽しみのドロップ品の確認だ」
「え~と、何々光り輝くスキルの書が3つも、それにプラスで角が1つに翼が2つに謎の薬品5つか、う~ん、早速使ってみるか」
スキル超神秘魔法を獲得しました。
スキル超光魔法を獲得しました。
スキル極天使降臨を獲得しました。
「お~、中々良さげなスキルゲットだな、さ~て、帰るか」
そう言いながらダンジョンから出ようとすると、英雄もとい担任の先生である北先生が完全武装で現れた。
「何故こんなところに女の子がいる、まさか、お前は天使か」
「あれ、北先生、謹慎処分じゃなかったけ、というか女の子って、しかも天使呼ばわりって俺男だし」
「何故謹慎処分のことを知っている」
「何故って一応先生の生徒なんですけど俺」
「生徒だぁ?お前のような女の子に何かを教えた覚えはないぞ」
女の子って、さっきから俺は男なはずなのに・・・
「あ、分かった、俺今女体化してるわ、反転解除」
「お前泰斗、どうしてこんなところに、というか?え?今女の子だったよな?」
「う~ん、まあ、朝起きたら魔物暴走が起こっていたんで驚きつつも中に入って魔物を倒していく。そしてたら光の魔人に襲われたので戦った。負けそうというか殺されかけたけど、なんやかんやで相手が全魔力使って放った魔法が闇系特化で自分の属性と性別を反転させたら無傷になり、全魔力を使って疲れている光の魔人を殺して、帰ろうとしたら先生が来たわけです」
「なるほどな、まあ、一応納得はした。だがな一人で勝手にダンジョンに突っ込んだことは感心できないな、まあでもたった一人でこの魔物暴走を止めたのは事実だ誇ってもいいぞ、それはそれで泰斗お前に頼みたいことがあるのだが」
「何でしょうか先生」
「俺の前では男じゃなくて女でいてくれないか」
・・・・・・
「まさか、先生、女体化している俺に欲情し」
「いや、違う違う、何故か男であるお前を見ていると殺意を覚えるのだ。だけど、女であるお前を見た時は殺意ではなく仲間意識を抱いたんだよ、だから頼む、俺の前では女でいてくれ、なあ、頼むから」
ちょっと、いや、かなりキモい発言が先生もとい英雄から出たがここまで言われてはしょうがない。
「性別反転」
「これでどうですか先生」
「すまん、何故か殺意が消えぬ、・・・もしかして、泰斗お前闇系統スキルを大量に持ってるんじゃないか」
「はい、持ってますけど」
「それでかなるほど。俺ら英雄はな英雄度が高くなると種族が英雄になるんだ。そのため闇系統の魔法持ちや闇系統種族に殺意がわくんだ」
「じゃあ、属性を反転すれば良いっていうことか、闇系統属性全反転」
「これでどうですか?」
「お~、ありがとう、あれだけあった殺意が消えたよ、むしろ好感を抱くぐらいだ」
「いや好感を抱くとかやめてください、いや、まじで」
「すまん、すまん、それじゃあ帰るか、はれ、手つなげ、俺の空間魔法でダンジョンの外まで送ってやるよ」
「分かりました」
そう言って先生と手をつなぐ。
「空間魔法・空間転移」
――――――――――
「英雄の北殿のお帰りだぞ」
「魔物暴走を今回も止めてくれたぞ」
「英雄様ありがとう」
「流石英雄北殿だ」
「英雄様お疲れ様」
「今回も皆を助けてくれてありがとう」
「皆英雄様が帰って来たぞ、今日は宴じゃあ」
「英雄・英雄・英雄・英雄・英雄」
流石北先生だな、帰って来た瞬間この歓迎ぷり。まあ、魔物暴走を止めたの俺なんだけど、先生が止めましたの方が自然だしな。
「違う、今回の魔物暴走を止めたのはこの人だ」
そう言って先生が俺を紹介する。
・・・・・・
一気にあたりが静まり返る。
「この可憐な少女が魔物暴走を止めたのですか?」
「ああ、そうだ」
・・・・・・
大歓声が起こった。
皆が俺を称え褒めてくれる。それは嫌な物でもないし中々良かったがさ。俺今女体化してるせいで女神とか美少女最高とか、可愛いとか、抱きしめたいとか。
不穏な言葉が聞こえるんだが。
ヤバい、失敗した。完璧に失敗した。
言い訳出来ないよこれ、どうするの、北先生もやらかしたみたいな顔してるし。
・・・・・・
うん、諦めよう。俺いや私は本名不味いし、泰斗からたを抜いて、英雄イトになろう。
それでつき通そう。
ええい、どうにでもなれ。
「私の名前はイト今回の魔物暴走を一人で止めた新たな英雄だ」
叫んだ、思いっ切りそう叫んだ。
結果
大歓声、更に祭り上げられ、宴会に突入しだした。いや、まじでさ、周りの建物魔物によって9割方破壊されてんのにさ。何で復旧よりも宴会しだすの。
ぶっちゃけ、結構周りが酔っ払って辛いんだよ。誰でもいいから助けてと思ってきた。
でもさ、助けてくれそうな北先生が酒に豪快に酔って美女に絡んでいる。もう、無理、流されるしかない。
そう、諦めかけていた時。
救世主もとい裏ダンジョン連合のお爺さんが現れた。
「新たな、英雄イトよ、話があるついてきてくれ」
「はい」
かくして、酔っ払いだらけの宴会から何とか抜け出せた。
――――――――――
お爺さんに連れられること5分。
一つの会議室っぽいところに連れていかれた。
「早速本題に入ろう、新たな英雄イトいや、泰斗よ。今回の魔物暴走を止めてくれたこと感謝する。しかしだ。一つ聞きたいことがある?他の隊の隊長を9割殺しにしたことについてだ。もちろんその件はこちらにも落ち度はあるが何故途中で逃げて儂の電話もいきなり切るのじゃ、流石にそれは問題じゃぞ」
おっと、そのこと忘れてた。つかよく俺のことわかったな。
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