機械少女たちのサイバークライム

　泥棒を生業とする17歳の少女サティは罠に嵌められた。強盗の現場を押さえられ、別のある犯罪計画に加担せざるを得なくなる。計画の内容は、娼婦ロボットを開発するメガコーポのホストコンピュータから《世界》というAIを解放すること。そしてハッキングのためには肉体を捨て、己の精神をロボットに移植せねばならない。
　会社の資産20兆円を自分のものにするのを条件に、サティは一味に加わる。ロボットになったサティは、脳死のリスクを冒してコンピュータに潜入しターゲットを発見するが、争いごとを嫌う《世界》は逃げるのを拒否する。革新的なAIを失う訳にいかない会社側は傭兵や軍事用ロボットを投入し、物理的に電子的にサティたちの抹殺を図るが……。
　華やかな遊郭とその裏側のスラム街と電脳空間を舞台とする、美少女系サイバーパンク小説。