第19話 誠司君。エッチだね~。そういうことなら私の足も触る?

「ただいま~」

「あ、おかえりなさい~」


 ちょうどご飯を作っているところだったらしくエプロン姿の奈美さんがリビングから出てきて出迎えてくれた。


「ただいまです。ご飯作ってたんですか?」

「そうだよ。そろそろ二人が帰ってくると思って夕飯を作ってたところよ♪ それでどうだった? 姉さんとのデートは楽しかった?」

「ずっとからかわれっぱなしでしたよ」

「あはは、それは大変だったわね」

「私は楽しかったんだけどな~」

「楽しかったのは楽しかったけど、からかいすぎです」

「だって、誠司の反応が可愛いから♡」

「姉さんのその気持ちは分かるわ♪」  


 美人姉妹は顔を見合わせて笑いあっている。

 からかわれている本人としてはその気持ちは分かり合わないでほしいと思った。

 できるか分からないがいつか仕返しをする。 

 なんてことを思ってるそばから僕はからかわれる。


「誠司、今日ずっと私の足ばっかり見てたのよ。ほら、ここなら奈美しかいないから触りたかったら触ってもいいのよ?」


 響子さんは誘うようにスカートの間から生足を覗かせた。


「誠司君。エッチだね~。そういうことなら私の足も触る?」


 部屋着の奈美さんはショートパンツを履いていて、そのスラとした生足を響子さんと同じく誘惑するように見せつけてきた。


「もぅ! 姉妹そろってからかわないでください!」


 頬を膨らませた僕は二人の間を通ってリビングに向かった。

 絶対にいつかこの二人をからかう。


「やっぱり可愛いわね♡」

「だね♪」


 僕をからかって満足そうな二人も後をついてきて三人でソファーに座った。


「そういえば、奈美。今年はあの場所に誠司も一緒に連れて行かない?」

「あ、それいいわね♪」

「あの場所ってどこですか?」

「誠司、今の季節で連想する場所ってなんだと思う?」

「え、今の季節っていうと夏ですか?」

「そう」

「夏で連想する場所……」


 夏で連想する場所といえば限られる。

 海、プール、花火大会会場、この三つが主だろう。


「海とかプールですか?」

「正解よ。毎年ね、この時期になると奈美と私の信頼する人たちと一緒に海の見える別荘でお泊り会を開催するのよ。そこに誠司も連れて行こうって話」

「別荘ですか」

「うん♪ 二泊三日のプチ旅行みたいな感じかな。どうかな? 誠司君も一緒に行かない?」

「僕が行っていいんですか?」

「もちろんよ」

「当たり前じゃない♪」


 美人姉妹は笑顔で頷いてくれた。

 二人以外にも人が来るなら行ってもいいか。

 三人だけだとちょっとお断りするかもしれないがな。


「分かりました。お二人がいいなら行かせていただきます」

「本当に!? やった~♪」

「楽しみね♡」


 二人は喜びを露わに僕に抱きついてきた。

 両手に花ないし両腕におっぱい。


「え、待って! 今から楽しみすぎてヤバいんだけど♪」

「そうね。興奮が冷めそうにないわ♡」


 二人の瞳にハートマークが見えるのは気のせいだろうか。

 いや、きっと気のせいではないよな。


「ねぇ、このまま誠司君を襲っちゃう?」

「それは名案ね♡」

「いや、名案じゃないですから! そんなことしたら行きませんからね!」

「それはダメね。一緒に海に行きたいもの」

「そうね。我慢できるか分からないけど、我慢すしかないわね」

 なんとか襲われるのは回避できたようだ。


 それから響子さんが持っている別荘の話を聞きながら夕飯を食べて、今日一日を終えた。


☆☆☆

 

 誠司君が帰った後、私は姉さんと作戦会議をしていた。


「さて、どうしようか」

「どうしようね~」

「そろそろ誠司とエッチしたいわよね」

「でも、誠司君、奥手だからね~。何か作戦を考えないと」

「そうね~。もう少し積極的になってくれてもいいんだんだけどね」

「だよね。私たちはもう受け入れる準備できてるのに」

「もっと、攻める?」

「う~ん。嫌われないかな?」


 あんまり攻めすぎて誠司君に嫌われたくはない。

 まぁ、今も十分攻めている気もしなくはないが……。


「それは大丈夫でしょ。嫌われるならとっくに嫌われてるわよ」

「そうだよね。じゃあ、もう少し攻めちゃおうか。姉さん」

「じゃあ、この前言ってたあれやらない?」

「あれってもしかしてあれ?」

「そう、あれ!」


 姉さんの言うあれってのは『あれ』のことだろう。

 何のことを言っているのか私にはすぐに分かった。 


「誠司君の分も買っちゃう?」

「絶対に着てくれないでしょ」

「だよね~」


 あの時の誠司君のことを思い出したのか姉さんは「ふっ」と笑った。


「あんなに嫌がってたんだから着ないでしょ」

「そうだよね。じゃあ、私たちの分だけでいっか」

「そうね。それから新しい水着も買わないとね。そうそう。今日、誠司と一緒にランジェリーショップに行ったんだけどね」

「え!? 姉さん、誠司君と一緒に下着選んだの?」

「ブラだけね」

「え~いいな~。私も誠司君に選んでもらいたいな~。ちなみにどんなの?」


 誠司君が選んだ下着に興味があった。

 誠司君は姉さんに一体どんなブラジャーを選んだのだろうか?


「この二つよ」


 そう言って姉さんが見せてくれたのは白色の清楚系のブラジャーと水色の可愛らしいブラジャーだった。


「やっぱり水色が好きなんだ」


 誠司君が水色のブラジャーを選んだことに私は納得した。


「誠司君。水色が好きっぽいんだよね~」

「そうなのね」

「うん。誠司君の家に行ったときに家具が水色多かったから」

「通りで水色のブラを選んだわけね」

「水着一緒に買いに行きたいな。誠司君に選んでほしいな」

「今度三人で一緒に行きましょうか」

「そうだね♪」

「これまでで一番楽しい夏になりそうね」

「ほんとにね♪」

「奈美の仕事の都合が合うか分からないけど、今年は三泊四日にしない?」

「どうして?」


 私が聞くと姉さんは悪い笑みを浮かべていた。

 何か悪だくみを考えている時の顔だ。


「最後の一泊は三人で泊まるのよ♡」

「それはいいね♪ じゃあ、その時にお披露目ってことにしようよ♪」

「その勢いで誘惑のもありじゃない?」

「ありあり♪ マネージャーさんに言っとくね」

「じゃあ、決まりね」

「本当にこれまでで一番暑い夏になりそう♪」


 今から私の気持ちは高ぶっていた。

 姉さんがいるからさすがにしないが、さっきから子宮が疼きっぱなしだった。

 

 

☆☆☆

  

 というわけで次から海編です

 ぼちぼち誠司の反撃も書きます!(笑)


☆☆☆


 その日僕は実家に帰って来ていた。

 父から手紙が届いて、一度家に帰ってこいということだった。

 手紙の内容から、どうやら僕にお見合いをさせるつもりらしい。

 

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