第28話 エコロジー合体魔法
アル達は、魔族軍のいる位置の上空に到着していた。
「これは予想以上の大軍だな~。ざっと見た限り、4~5万くらいかな。これなら辺境伯が逃げるのも頷けるぜ。」
地上を見下ろしながら敵の状況を観察しているアルにヴァンが話しかける。
『どうする♪とりあえずぶっ放そうか♪』
アルは真剣に表情で頷く。
「そうだな。とりあえず、デカイのぶっ放してから、その後に邪魔なやつを個別に倒していくか。テスラ、周辺の警戒よろしくな。」
テスラは足元につくった足場の上で、優雅にお辞儀をする。
≪かしこまりました☆特技―次元結界―≫
テスラのつくりだした結界を確認したヴァンは、アルの背中に飛び乗った。
『じゃあ、いくよ♪特技―セイクリッド・マルチプライ・サークル―』
ヴァンは右手を前に出すと、円形の光の枠をつくり出した。
続いて、アルがヴァンの造り出した枠に重ねて魔法陣を展開し始める。
「よ~しッ!とっておきのエコロジーな魔法をブチかましてやんぜッ!」
…セレスティアル・ソーラレイ(光魔法)…
魔法陣が光の枠と融合し、ソーラーパネルのようなオブジェクトに具現化されていく。
「『いっけぇッ!―デュアル・マルチプライ・セレスティアル・ソーラレイ―』」
巨大なオブジェクトから、まばゆい光線が次々と生み出され、魔族の大軍に向け射出されていく。
テスラは、光が地面に降り注ぐ光景をうっとりと眺めていた。
≪なんと神々しい…☆≫
いくつもの光線が魔族の大軍に降り注ぎ、魔族達が浄化されていく。
『よ~し☆もっともっと設置しちゃおう♪』
おんぶをされたヴァンが楽しそうに、次々に光の枠を設置していく。
「おうッ!」
アルもヴァンに負けじと魔法陣を次々に展開していく。
…
オブジェクトを10基したところで、ヴァンはアルから離れて、アルと向かい合った。
『これくらいでいいかな♪それにしても、込めたエネルギーを使い果たしても、太陽光をエネルギーに変換して砲撃し続けるなんて、スゴいよね♪』
アルはヴァンの頭を撫でながら、“天叢雲”を収納ペンダントから取り出すと、太陽光を吸収し始めた。
「そうだろ?でも、設置するときの消費エネルギーが半端ないのが欠点なんだよなぁ。“天叢雲”の太陽光吸収だけじゃ足りないから、魔族を倒してエネルギー回復しないとな。テスラ、適当なヤツを捕まえてきてくれ。」
テスラは、アルの持っている“天叢雲”を一瞥すると、呆れたような表情で返事をする。
≪主様の聖剣は反則級ですね☆敵からエネルギーを吸収できるなんて、傷や疲労を回復できる光魔法使いにとっては、まさに鬼に金棒ですよ☆さて、それでは行ってきます☆少しお時間をいただきますので、この空間でお寛ぎください☆≫
そう言うと、テスラは異空間に繋がるゲートをつくり始めた。
「ああ。いってらっしゃい。俺は日向ぼっこしながら、少し仮眠取っておくから。」
アルはゲートを潜り抜け、テスラが用意した空間で倒れるように横になった。
ヴァンはテスラのつくったゲートを潜らずに、別の異空間に繋がるゲートをつくり始める。
『僕は、暇な精霊を集めてくるよ♪予想以上の大軍だから人手がほしいよね♪特技―フェアリー・ゲート―』
ヴァンは右手を前に出すと、別の異空間に繋がるゲートをつくり、異空間で待機していた精霊達を集め始めた。
「おうッ!みんなによろしくなッ!」
アルは、目を閉じると小さな寝息をたて始める。
『うん♪アルは少し休んでおいて♪………。よ~し♪精霊が平和に暮らせる世界をつくるためには、ここが大切な局面だから特に気合い入れないと♪』
ヴァンは、真剣な表情で魔族の大軍を見下ろしていた。
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