第849話 人間失格

宮里「Tさんどうします?◯◯くんの祝儀」


◯◯くんとは協業の青年のことだ

この度、結婚するらしい


ちなみに沖縄では、渡し手・受け手の立場や年齢関係なく「祝儀は一律1万」という不思議な慣習がある


とはいえ俺はそういう訳にもいかない。


「あ、じゃあ渡しといてくれる?」


そう言って3万を宮里に差出す


「確かに。では一緒に渡しておきます」


「おう、宜しく」


それから1ヶ月近く経った


◯◯くんとは数回会ったが、お礼の言葉がない

内祝いが届く訳でもない


いや、別にそれは構わないのだ

ただ、この子の感覚は一体どうなっているのだろうか?と思い、思い切って本人に聞いてみた


「そういえば今更やけど、どうだった式は?大場と宮里が出させてもらったらしいけど」


「あっそうなんですよー!もう本当にありがたい事で!宮里さんにも、なんか、びっくりして!」


「ん?何を?」


「あっ、いや・・・あの、たくさん御祝儀戴いちゃって」


「たくさん?あいつが?幾ら?」


「あっ、あのぉ・・・内緒にしておいてくださいね」


「わかってるよ」


「3万も戴いちゃって・・・」

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