第776話 真意

「俺ホンマに最近、物忘れが酷くてなあ・・・君らの名前も、そのうち忘れるかも知れん」


事務員のM嬢・R嬢に言うと


「そうなったらもう、番号で呼んでください」とM嬢が笑う


それを聞いていた小さな営業マン・イシくんが


R嬢に向かって「3番さ〜ん」


M嬢に向き直って「5番さ〜ん」


「・・・こういう事ですか?」と"軽く"割り込んできた


これを聞き逃さなかった元レディース副長・M嬢


「おい、イシ。何で私が5番なんだよ」


「あっいや、そうじゃなくて・・・」


「な〜んでRちゃんが3番で私が5番なんだよ。自分の好みか?」


M嬢は、R嬢のはるか先輩


逆にイシくんは、M嬢の先輩なんだけどな・・・笑


その日、イシくんは


M嬢に話しかける度に「先に3番窓口に通してもらえます?」と言われていた


・・・が、俺は知っている。


緑の接待(ゴルフ)は全面的にイシくんに任せているのだが


そんなイシくんは『3W(ウッド)と5Wを比較した場合、5Wの方が飛ぶ』神話の崇拝者だ


だから彼の上位は「5」なのに、誤解されちゃって・・・♪(´ε` )

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