第665話 アリバイ

夏場真っ盛りの、とある金曜日。


地方のホテルの一室にいるのだが、とある女性に対して羽田にいる(忙しく飛び回っている)ことにしたかったので


一本電話を掛ける前に、iPadから色々調べてみた


お、あるやないの「羽田空港 国内線ロビーの音」


再生してみる


お~これは使えそうだ


一応、飛ばし飛ばし聞いてみたが良い感じだ


これでいこう。


しかし空港って意外に騒音レベルが高いから、臨場感持たせるために、もっと音量を上げておこう・・・


「羽田空港の音」を始めから再生する


電話を掛ける


「あっもしもし?」


「えっ?どこ?新幹線?」


「羽田着いたとこや」


「えっ?羽田?東京なの?」


「そうやで?言わんかった?」


「えー東京なんだぁ・・・」


「悪いなホンマ最近忙しくて。急に飛ばなあかん用事が入っ『新千歳空港行き◯◯便は、滑走路の積雪により取りやめとなり・・・』


「・・・えっ?」


「・・・ん?」


アリバイ工作はくれぐれも間に合わせで行わないように・・・

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