第514話 無理

皆様、家の中で壁や天井を歩く体長5ミリ前後の小さな蜘蛛を見かけたこと、ありませんか?


そいつ、名前を「アダンソンハエトリグモ」といいます


基本茶色ですが、黒や白黒の奴も居たりします


この蜘蛛が室内にいるということは、別の害虫がいます


この蜘蛛は、それら害虫を片っ端から捕食してくれる、益虫なのです


ある程度の大きさの"G"なら、勇猛果敢に飛び掛かります


調べたところでは、昔は鷹狩りになぞらえて「屋敷鷹」(家の中で狩りをする)とも呼ばれていたそうです


移動速度・跳躍力が半端ではありません


この小さなハンターを見かけたら、むやみに殺してはいけません( ̄^ ̄)ゞ


人になんか向かってきませんから。



ウチの部屋はほぼ毎日閉め切っているので、虫の入ってくる余地はないのだが


ベランダに出入りする一瞬、開閉のタイミングで侵入するのかな?


小虫がプンプン飛んでいることがある


あっちこっち部屋中を飛び回るものだから、捕まえられないまま放置する


さて、これまた、いつの頃からか大中小3匹のハエトリグモが住んでいる


こいつらいったい、何を捕食して生きているのだろう・・・?


無雑作に壁を歩いていたりするので、その度に


「君らね!頑張って部屋の小虫、捕ってくださいね!」と声を掛ける


不思議なことに出張で家を空けて


数日後部屋に戻ってくると、プンプン飛んでいた小虫がいない


これはあの3匹のうちのどれかが、頑張って捕獲したのかも知れんな・・・


そう思うことにしている



ある日、孫息子と母親(上の娘)が家にやってきたときに


俺は釣具・ダイビング専門の作業部屋で仕事していたのだが


部屋から出てくると孫息子が


「あのね、カベにクモがいたからね、ママがつかまえてトイレにながした」と言う


「えっ!流しちゃったの?!あっちゃ~」


「あれ?トイレはダメだった?」娘(母親)が話に入ってきたので


「いや、そうでなくてそのクモ、斯々然々でウチの従業員でして・・・」


3匹の蜘蛛がいて、ワザと放し飼いにしているのだと説明する


「あ!そういえば前にもそんなこと言ってたよね、ごめ~ん」


「えっ?ジージはクモ飼ってるの?」


「いや飼ってはないけど、おうちで仕事して貰ってるのよ」


「あと2匹いるの?いいな~ボクの家にもいないかな~」



さて先日。


金曜日からウチに泊まりに来た孫息子が、興奮して真っ先に教えてくれたのが


念願叶い、3年生の自分の教室の壁でクモを見付けたという話。


友達数人とそのクモを眺めながら


俺から聞いたハエトリグモに関するウンチクを孫なりに披露していたところ


担任の女先生が孫たちのところにやってきて


「先生ね、このクモの1000倍大きいクモを山で見つけて、家で飼ってるよぉ~。見たい?」


突然そんなことを言ってきたそうだ


俺「ああ、それはアレじゃないの?『アシタカグモ』じゃないかな」


孫「ううんちがう。あのねぇ、えーっとねぇ・・・おきなわ・・・オキナワオオハシリグモ!」


おきなわおおはしりぐも?


なんだそれ


スマホでググってみる(是非、皆様もどうぞ)


うげ!!


な、なんじゃこいつ!!


タランチュラ並やないか!!!


移ってきて18年経つけど、初めて見た・・・


こんなモンスターいるの??


「これ?これを先生、飼ってるって言ったの?」画像を孫息子に見せる


「そう!これ!先生持ってきて見せてくれた!」


え?!・・・持ってきたの(;´Д`)


てかこんなの、山で捕まえたの??


マジで・・・?!!



「ボクも飼いたい!探しにいこうよ!」


Σ((((;゚Д゚))))ムリムリ



というわけで・・・


来週日曜の午後、近所の山へ探しに行くことになった


だが、もし!

仮に見つけたとしても!!


掴む自信がない・・・(毒はないらしいけど)

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