第462話 ライバル

釣具屋でジグ(ルアー)を購入した後に、あ、ちょっと竿も見ていこうと思い、ロッドコーナーに回った


そこではちょうど、40代くらいの、どこかの釣具メーカー専属のプロ釣り師?というくらいにビシッとフィッシャーマンスタイルで決めた男性が


店員を引き連れ、陳列棚から取り出した竿をピュンピュン振りながら、吟味しているところだった


「如何でしょうか?」


「う〜ん、これだとアイツに負けるな・・・もう少し粘る竿ないかな?」


「あ、それでしたら、これなど」


店員は別の箱からツーピースの竿を出し、繋いで男性に渡す


男性はまた、ピュンピュン降りながら竿の調子を確認していたが


「ん〜負けるだろうなぁ・・・アイツにはなぁ」と不満顔だ


「あの、え〜と、お仲間様かどなたか、ですか?」


よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに男性は店員に向き直る


「あっいや、違うんだけどね・・・まあ『永遠のライバル』て言うのかな?うん」


うわなんだこいつキモい(・・;)


もう少し聞き耳を立ててみる。


「はあ・・・え〜と、もっと上位グレードをお持ちなのですかね?その方は・・・」


「違う違う、そうじゃない。なんて言えばいいのかな・・・まあ、僕は『磯太郎』って呼んでるんだけど」


「いそたろう・・・ですか?それは、どこのメーカーかお判りですかね?」


「じゃな〜く〜て!分からない?魚よ、魚。」


「えっ?」


「負けるんだよこんなのじゃ、アイツには」


「魚種・・・でしたか?初めて聞く名前です・・・磯であればメジナとか、そう言った魚ですか?」


「いやいや僕も見たことないの、まだ。2年も闘ってるんだけどねアイツとは」


なんやこいつ・・・

アホくさいから帰ろ。

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