第230話 誰だ・・・?

飛行機の通路側席のシートにもたれ、帽子を被り、頭をつけて目を瞑っていた


不意に頭の左側を掴まれる

が、すぐにそれは無くなる


なんだ?

後ろから手を回してきたのか?


それから15分ほど経った

再度頭を掴まれたので、今度は首を振る


おそらく「手」であろうものは引っ込んだのだが


その後すぐに、またゆっくりと手が触れてきた


ああ・・・これは後ろの席に小さな子がいて


俺の反応を面白がって触りだしたのだな・・・


そうと分かれば


俺もゆっくり左手を伸ばし、俺の左頭部に触れている手に触れてみた


手はサッと逃げたが、やはり小さい手のようだ


そのうちまた、頭に手が伸びてきた


俺も左手を伸ばし、今度はキーボードを叩くようにその手をコツコツ触れる


また、サッと手が引いた


しかしまたすぐに手が伸びてきて、俺の頭に触れたので


次はやんわりとその手を包んでみた


すると手は、スーッと引いていき、もう2度と俺の頭に触れることは無くなった


飽きたか・・・


なら、と俺も眠りに付く


その後、飛行機は那覇空港に到着した


最近は密な降機を避けるため

前列の次は通路側が降りる、という順番になっている(いろんなパターンがあるようだ)


俺は立ち上がり、荷物棚を開け鞄を取りながら


あ、後ろの子ってどんな・・・と後列を見る


おばちゃん3人だった(꒪⌓꒪)

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