第163話 そのチョイス

新神戸駅に降り立った


「犬飼さんが、犬飼さんが絶対犬を飼(こ)うとるわけやないんやで?」


改札を出た左手で茶髪の若者に説教するヤクザ風の男


ちょっとぉ~何の話か気になるやん?


立ち止まり、さりげなく耳を傾けてみる


「ワシが神戸っ子やからいうてヴィッセルとは限らんやろ?京都やからて『おたべ』か?奈良やからて『みかさ』か?あんちょこやー言うとるねん」


「あん?チョコ・・・すか?」


「おまえは安直やー言うとるねん。あんちょこは業界用語や」


「どっちつかずみたいな意味すか?」


「もうええ。もうこの、神戸プリンで構わんけどやな。なんでプリンやねん?」


「美味いんですけどね」


「子どもか?きのう教えたやろ観音屋さんのチーズケーキが駅にあるゆうて」



子どもか?とツッコむ男が手に持つペットボトルは


サントリー烏龍茶、鬼滅の刃・煉獄さんVer.なのだが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る