第153話 ノーコメントな話

今朝の事務所は、俺を含めた5人が顔や腕に絆創膏を貼っている


水ぶくれの跡だ。


1番酷いのは谷やんで、彼は病院でガーゼを4箇所貼ってもらい、何事かという顔になっている


まあ当事者(元凶)なんだから仕方がない


それにしても全員、目に被害がなかったのは幸いだった



久米島はクルマエビの養殖が盛んで、12月から3・4月頃まで活エビを楽しむ事ができる


昨日、活きエビの時期はほぼ終わったが特別に、お客様へ配送すると同時に我々用にも60尾ほど仕入れていたので


谷やんを含む若手4人がウチに来て、エビ晩餐会を開いた


焼き・蒸し・踊り喰いなどで食べたのだが、メインはテーブルに天ぷら鍋を置き


串に刺した色んなものを自分たちで揚げながら食べ進めていた


それでもまだ手付かずの活きエビが、水を薄く張ったボウルに5尾ほどピンピン跳ねていたので


それを見た谷やんが素揚げにしましょうと言い出し


「じゃあ串はキッチンの左上から2段目の引き出し(にあるから使えよ)。」と指示したところ


ピンピン跳ねるボウルを掴んだ谷やんが


「懐かしい黄金伝説いきま〜す」天ぷら鍋にそのまま全投入


エビが跳ね、油が飛び散り


水が爆発、油が飛び散り


水蒸気のなか阿鼻叫喚


座っていた我々は咄嗟にテーブルから離れることができず


この話の最初に繋がる

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