第46話 いつもの

広島に寄ると必ず寄るうどんのチェーン店がある


それも必ず◯◯店と決まっている


何故かというと◯◯店には、美人ではないがパーツ配置の妙というか


とても色っぽいお姉さんがいるのだ


注文を取るとき、相当な距離まで顔を寄せ、俺の口元近くまで耳を突き出してくる


その仕草も妙に色っぽい


開店はAM11時で、俺は毎度きっかり11時に訪問する


混んでいる状態が嫌だから、それを避けたいのだ


そして俺の注文するものは毎回決まっている


「ネギ鶏蕎麦のダブル(麺が倍)」である


先日、広島に寄った翌日のAM11時に◯◯店へ寄った


「いらっしゃいませ」


いつものお姉さんの存在を確認し、カウンター奥の隅に座る


お姉さんが水を入れ、俺の前に置きながら


「いつもので宜しいですか?」と訊いてきた


あれ?

このパターンは初めてだぞ??


「いつもの」ってお姉さん、俺のオーダーを認識してくれていたのか?


これは嬉しいやないの!!


「はい」とだけ答えた俺に軽く微笑んだお姉さんは


注文カウンターにむかいオーダーを通した


「スタミナうどんニンニク抜きでー」


はい違ったー

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